推力5,000トン、杭打ち船「铁建大桥桩1」の油圧シリンダー

出典:江苏恒立液压股份有限公司
2026年1月16日、恒立液压(Hengli Hydraulic)は江蘇省常州市で世界最大級の油圧シリンダーが生産ラインからラインオフしたことを発表。
巨大な油圧シリンダーは、中国鉄建大橋工程局(China Railway Construction Bridge Engineering Bureau Group)向けに建造が進められている杭打ち船「铁建大桥桩1」(Tie Jian Da Qiao Zhuang 1)に搭載されるもので、長さ156mのリーダを建て起こすために必要となる重要な設備。
シリンダー直径2m、シリンダーボア(内径)1.6m、ピストンストローク21m、最大まで伸ばすと長さ約50m。総重量402トン、定格推力5,000トン。
今後、油圧シリンダーは杭打ち船へ設置され、システム試運転段階に入る予定。
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閉ループエネルギー回収システム

出典:江苏恒立液压股份有限公司
今回ラインオフした油圧シリンダーの寸法や推力は、2024年12月に竣工したリーダー長さ150mの杭打ち船「二航长青」(Er Hang Chang Qing)に搭載されている油圧シリンダーとほぼ同じですが、大きく異なるのは閉ループエネルギー回収システムを備えた油圧シリンダーという点。
長さ156mのリーダーを起こす時は、モーターにより閉ループポンプを駆動して高圧油を生成し、油圧シリンダーを押し上げる。一方で、リーダーを下降または傾斜させる動作では、リーダーの重力によって油圧シリンダー内の油圧が駆動し、閉ループポンプが作動。閉ループポンプはモーターを駆動して発電し、電気エネルギーとしてフィードバックする仕組み。
ポンプ制御の閉ループエネルギー回収システムを適用することで、オイルタンク容量を13%、設置面積を24%削減し、最大40%のエネルギー回収率を実現。
杭打ち船「铁建大桥桩1」は、「DP+係留」というデュアルポジショニングシステムを採用しており、1,000トン級の杭打ち船において、リーダーのスムーズな起伏を実現することが課題となっていた。閉ループエネルギー回収システムの開発により、課題を克服すると同時に起伏時および傾斜時に発生する膨大なエネルギーを効率的に回収し、高い運用安定性と環境に配慮した低炭素運用を実現するという。

出典:龙船风电网
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杭打ち船「铁建大桥桩1」(Tie Jian Da Qiao Zhuang 1)

出典:天海融合防务装备技术股份有限公司
| 船名 | 铁建大桥桩1 (Tie Jian Da Qiao Zhuang 1) |
| リーダー長さ | 156m |
| 長さ | 130.5m |
| 幅 | 40.8m |
| 深さ | 8.4m |
| 杭打ち仕様 | 最大作業水深:70m 最大杭径:7m 最大杭重量:700トン 杭長:120m超 |
竣工後はブラジルの海上橋「サルヴァドール・イタパリカ橋」建設へ

杭打ち船「铁建大桥桩1」は、竣工後にブラジルの「サルヴァドール・イタパリカ橋」(Salvador Bridge)で橋脚基礎の杭打ち作業に従事する予定。
ブラジル北東部の大西洋岸に面したバイーア州の州都であるサルヴァドールとイタパリカ島を結ぶ「サルヴァドール・イタパリカ橋」は、全長12.4kmの海上橋。船舶航路となる中央部分は斜張橋となっており、桁下高さは海抜85m、水深67m。
2025年3月に橋脚基礎の設計に向けた地盤調査が完了し、2025年末までに橋の建設が開始される予定。橋の建設は、サルヴァドール側の約4kmにおよぶアクセス道路の完成後に開始され、建設期間は5年間。イタパリカ島側にも約30kmにおよぶアクセス道路を建設予定で橋の開通は2032年になると予想されている。