フェリー沈没事故を受けて運航会社の全船を航行停止処分
2026年1月27日、フィリピンのジョバンニ・ロペス運輸大臣代行はバシラン州沖で起きたフェリー「TRISHA KERSTIN 3」の沈没事故を受けて、フェリー運航会社Aleson Shipping Linesの全旅客船を航行停止処分としたことを発表。
Aleson Shipping Linesの全船を航行停止処分とした目的は、1月26日にバシラン州沖で起きたフェリー「TRISHA KERSTIN 3」沈没事故の調査の一環として、フィリピン海事産業庁(MARINA:Maritime Industry Authority)とフィリピン沿岸警備隊(PCG:Philippine Coast Guard)による同社の船体と乗組員の監査を実施するためだという。
ジョバンニ・ロペス運輸大臣代行はサンボアンガ市でおこなわれた記者会見で、Aleson Shipping Linesの全旅客船を航行停止処分としたことはフェルディナンド・R・マルコス・ジュニア大統領がフェリー「TRISHA KERSTIN 3」沈没事故の「徹底的な調査」を命じた指示に沿ったものだと述べた。そして、MARINAとPCGに対し、Aleson Shipping Linesの船舶と乗組員に対する海上安全監査、リスクコンプライアンス、検査を10日以内に実施するよう指示。監査の結果は、Aleson Shipping Linesの旅客輸送業務継続を判断する際に用いられる。さらに、ジョバンニ・ロペス運輸大臣代行はMARINAに対し、国内全船舶の包括的な海上安全監査結果を提出するよう命じた。
2019年以降、Aleson Shipping Linesはフェリー「TRISHA KERSTIN 3」の沈没を含む合計32件の海上事故を起こしているという。今後同様の事故を防ぐため、調査結果は海上安全執行に関する政策を改訂する省令の草案作成にも活用される予定。
ジョバンニ・ロペス運輸大臣代行は、責任者の追及だけではなく、どのように前進し、同様の事件が二度と起こらないように政策を制度化していくかが重要であると述べている。
事故発生時の乗船人数は359名ではなく344名
フィリピン沿岸警備隊はフェリー「TRISHA KERSTIN 3」の乗船人数について、船の名簿に記載されていた359名ではなく、実際は344名であったことを明らかにした。
1月27日の発表時点で316名を救助し、18名の死亡を確認。残る行方不明者は乗組員8名、船長、そして事故発生時に乗船していたPCGの保安官1名の計10名。
関連 フィリピンで359人乗船のフェリー沈没、死亡18名、行方不明24名
フェリー運航会社 Aleson Shipping Lines の声明
フェリー「TRISHA KERSTIN 3」の運航会社Aleson Shipping Linesは、全旅客船の航行停止処分を受けてFacebookで公式声明を出している。

公式声明
運輸省ジョバンニ・ロペス長官の発表および2026年1月27日付のマリーナ指令に基づき、アレソンの全船舶の運航は追って通知があるまで一時停止となります。当社は当局と緊密に連携し、行方不明の乗客・乗組員の捜索と捜査を継続しています。サンボアンガ市当局、DSWD(フィリピン社会福祉開発省)、CSWDO(市社会福祉開発事務所)と連携し、ZCDRRMO(サンボアンガ市防災管理局)に指定区域を設け、被害者とそのご家族が初期緊急支援を受けられるよう配慮しています。
この悲劇に見舞われたご家族とご親族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
出典:Facebook | Aleson Shipping Lines, Inc(https://www.facebook.com/alesonshippinglines/posts/pfbid02HR2zoZQZJKtJ7gWo9hqpCr8q9zh7PKc2BkWmasGAjV5ShpshbbQ9JGJNj4B6oX6Fl)
テクニカルダイバーとROVによる捜索救助活動




行方不明者10名の捜索救助活動は続けられており、1月27日にマニラからフィリピン沿岸警備隊のテクニカルダイバー6名が到着。同日中に沈没したフェリー「TRISHA KERSTIN 3」へのテクニカルダイビングを開始。
1月28日にもテクニカルダイバーが到着予定となっており、捜索救助活動に合計16名のテクニカルダイバーが参加する予定。さらに、ROV(Remotely Operated Vehicle:無人潜水機)も沈没船調査のために派遣されている。
テクニカルダイビングとは、オーバーヘッド環境(閉鎖環境)や減圧(仮想閉鎖環境)を伴う潜水のこと