フィリピンのセブで転覆した貨物船「Theresa I」から乗組員救助

2026年3月11日、フィリピンのセブ州ナガ市にあるAPO Cement Portで貨物船「Theresa I」が転覆する事故発生。
事故当時、貨物船「Theresa I」は貨物の積み込み作業と並行して船体のバランスを保つためのバラスト水排出作業をおこなっていた。何らかの理由で船体が片側に大きく傾き、積荷が移動したことで転覆。
フィリピン沿岸警備隊(PCG:Philippine Coast Guard)は貨物船「Theresa I」に乗船していた乗組員19人のうち、転覆した船内の機関室に機関士1人が閉じ込められていることを確認。直ちに救助活動を開始し、閉じ込められていた乗組員を救出。乗船していた乗組員19人全員の避難が無事完了し、安否が確認された。
転覆した貨物船「Theresa I」の油流出による海洋汚染を防ぐため、フィリピン沿岸警備隊は船舶周辺に100mのオイルフェンスを展張、油漏れの可能性がないか監視を続けている。


転覆時に切れた係留ラインでセメント取扱作業員が死亡

貨物船「Theresa I」の乗組員19人は全員無事でしたが、転覆事故により1人死亡している。亡くなられたのは、セメント取扱作業員(cement handler)。
フィリピン沿岸警備隊の発表情報によると、貨物船「Theresa I」の転覆時に係留ラインが切れてセメント取扱作業員に激突。負傷した被害者は近隣の病院に緊急搬送されましたが、医師により死亡が確認された。
係留ラインには船体を繋ぎとめる大きな力が加わっており、ひとたび切れると凶器と化して襲い掛かってくる。切れた係留ラインはスナップバック(snapback)と呼ばれるゴムや鞭のようになって跳ね返ってくるため、係留ライン付近や延長線上にいると回避することは困難。常に、係留ラインは切れる可能性があるということを意識して、自分がいる場所は安全なのか確認しながら行動することが重要。
👇下の動画内で紹介している実験映像では、直径64mmのロープに45トンの張力をかけて破断させ、係留ラインが襲い掛かる様子を見ることが出来ます。切れた係留ラインは僅か0.19秒で時速1,150km、秒速320mという速度に達し、実験用設備を破壊。
元船は日本の「日光丸」

出典:Marinetraffic | vessels lover

出典:Marinetraffic | rowena villa
転覆した貨物船「Theresa I」のIMO番号:8967151を基に履歴を調べてみると、元船は2001年に日本で竣工した貨物船「日光丸」。
ファンネルマークが変更され、甲板上の船尾部分が少し変わっています。それと、「日光丸」には無かったクレーンを搭載。
