オランダ沖「Hollandse Kust West VI」で最初の電力供給


2026年7月6日、Shell、中部電力、Enecoの合弁会社であるEcowendeはオランダ沖の「Hollandse Kust West VI」(Ecowende wind farm)が送電網に接続され、最初の電力を供給したと発表しました。
「Hollandse Kust West VI」は、オランダのエイマイデン(IJmuiden)から約53km沖合に位置し、着床式のモノパイル基礎にVestas製の風力タービン「V236-15.0MW」52基を設置する計画で運転容量は約760MW。2026年末までに完全運転開始を目指しており、本格稼働後はオランダで消費される電力需要の約3%に相当する年間3.3TWhの電力を発電する予定。
EcowendeのCommissioning Manager(試運転責任者)であるEkansh Aggarwal氏のコメント。「Ecowende wind farm」からの初グリーン電力供給を大変嬉しく思うとした上で、プロジェクトの過程では多くの節目があり、これまでにEcowendeが達成した数々の”初”の中でもタービンが回転し、安全かつ順調に初電力供給に至ったことは、プロジェクトに関わるすべての人にとって大きな成果だと述べている。初電力供給は記憶に残る重要な瞬間であるものの、引き続き残りの設備の安全な稼働開始と今後数十年にわたりクリーンな電力を供給する信頼性の高い洋上風力発電所の実現に焦点を合わせているという。
最も環境に優しい洋上風力発電所

出典:Ecowende
「Hollandse Kust West VI」は、洋上風力発電が海洋生物に与える影響を軽減し、生物多様性を高めることを目指して開発が進められている。
モノパイルおよび風力タービン設置をおこなうSEP起重機船「Boreas」は、メタノール燃料での稼働により環境負荷を大幅に低減することに加えて、低騒音位置決め・設置システムを採用。SIFが製造するモノパイルは8.8mと9.3mという2種類の直径を採用しており、様々な高さの風力タービンタワーを設置。風力タービンの先端部の高さが高いほど鳥が構造物の間をより安全に飛行でき、衝突リスクが低減することが研究により示されていることから、建設段階および運用段階を通じて鳥の行動と衝突件数をモニタリング。自然と共存する洋上風力発電開発に関する知見をさらに深めていくという。
鳥類が風力タービンに衝突する件数を低減させる取り組みとして、6基のタービンに音を使って鳥を抑止する鳥の忌避システムを適用。また、7基の風力タービンで1基当たりのブレード3枚のうち1枚に赤いトップコートを塗り、ローターゾーンをより目立たせて鳥類の衝突回避を支援。風力発電所の北側にある20基の風力タービンでは鳥類のライブ認識を試験・実施し、抑止システムの微調整とローターの抑制をおこなう。

出典:Ecowende
Hollandse Kust West VI

「Hollandse Kust West VI」の事業者はShell(60%)、中部電力(30%)、Eneco(10%)の合弁会社であるEcowende。