ベトナムの「Vinh Long」で1基目の風力タービン設置


中国のサプライヤーであるEnvision Energy(遠景能源)は、ベトナムの「Vinh Long nearshore wind projects」で1基目の風力タービン設置を完了したと発表しました。Envision Energyにとって、海外の洋上風力プロジェクトにおける初案件。
ベトナムのREE Groupが開発をおこなう「Vinh Long nearshore wind projects」は、ベトナム南部のヴィンロン省沖に位置し、「V1-3 Phase II」(48MW)と「V1-5&6 Phase II」(80MW)で構成される総発電容量128MWの洋上風力発電所。Envision製の風力タービン「EN-226/8.XMW」16基を設置する計画で単機容量においてベトナムおよび東南アジアで最大規模となる。
Envision EnergyがLinkedInに投稿した内容によると、2026年1月にREE Groupと風力タービン供給契約の締結後、最初の部材を5ヶ月という速さで納入。風力タービン設置に関しても1基目は7日以内、2基目は5日以内で完了しており、プロジェクトは順調に推移しているという。風力タービン設置日数7日と5日だとあまり早くない気がしますけど、設置作業は船体をジャッキアップするSEP起重機船ではなく、海面上に浮かんだままの一般的なクレーン船を使用しているため、ハブ高さ約130mという高所でのブレード取付作業を考えると順調な進捗と言えるのかも。
風力タービンの設置時期は、ベトナム特有の豪雨や台風による厳しい環境下での施工であり、迅速な設置を実現できた要因として、現場に最適化された技術を挙げている。 Envision製の風力タービン「EN-226/8.XMW」は軽量かつメンテナンス性に優れた設計を採用しており、複雑な近海環境下でも効率的な設置と信頼性の高い運用(ライフサイクル全体を通じた稼働)を可能にするという。
1基目の設置完了後、本格的な設置作業が進められており、全16基の設置が次々と完了する予定。2026年10月までに電力網への完全接続が完了する見込み。
2,200トン吊りクレーン船「嘉睿順」による風力タービン設置作業

出典:Envision Energy
風力タービン設置作業をおこなっているのは、2,200トン吊りクレーン船「嘉睿順」(Jia Rui Shun)。設置作業をおこなう画像の海象は穏やかに見えますが、それでも高所での部材取付は船体動揺の影響を受ける厳しい状況の中でおこなっていることが想像出来る。
Envision Energyのウェブサイトで掲載されている風力タービン「EN-226/8.5MW」のハブ高さは、現場条件によって差はあるものの標準仕様で131m。クレーン船「嘉睿順」の建造時に公表されているスペックは、揚程115m。風力タービン設置をおこなう画像を見ると、先端に補助ジブを取り付けて揚程を増強しているのが確認できます。
2,200トン吊りクレーン船「嘉睿順」(Jia Rui Shun)
| 船名 | 嘉睿順 |
| クレーン能力 | 2,200トン |
| 揚程 | 115m |
| 長さ | 128m |
| 幅 | 40m |
| 深さ | 8.6m |
| 宿泊設備 | 80人 |
| 建造年 | 2024年10月 |

出典:龙船风电网
Vinh Long nearshore wind projects

| 名称 | V1-3 Phase II(48MW) V1-5&6 Phase II(80MW) |
| 設置位置 | ベトナム南部のヴィンロン省沖 |
| 発電容量 | 128MW |
| 基礎構造 | 着床式、モノパイル |
| タービンメーカー | Envision Energy |
| 風力タービン | EN-226/8.XMW |
| 設置基数 | 16基 |
| 運転開始 | 2026年 |
| 事業者 | REE Group |
| その他 |