日本郵船がTWIN X-STERN採用のSOVをPaxOceanに新造発注
2026年9月25日、日本郵船はアジア・オセアニア地域における洋上風力関連事業の基盤強化に向けて、洋上風力発電設備の建設および保守管理を支援するSOV(Service Operation Vessel)1隻をPaxOceanに発注したと発表しました。
日本郵船は欧州域において、連結子会社のNorthern Offshore Groupを通じてSOV事業を展開し、洋上風力発電設備の安定的な運営・保守を支えるサービスを提供しており、新たに建造するSOVは欧州で培った知見と実績を生かし、今後さらなる成長が期待されるアジア・オセアニア地域での事業展開を進めるという。
新造SOVは、インドネシアのバタム島にあるPaxOceanのGraha yardで建造し、竣工予定は2029年ごろ。
UlsteinのTWIN X-STERNを採用


日本郵船のプレスリリース発表と同日の9月25日、UlsteinはPaxOceanと日本郵船向けとなるSOVの設計契約締結を発表しています。
新造SOVの船体設計は「ULSTEIN SX222」をベースとしており、船体寸法は長さ89.6m、幅19.2m。洋上風力発電所の建設時に必要となる多数の作業員の滞在と物資輸送を支えるため、最大120名の乗船人員に対応する快適な居住設備および十分な物資蔵置スペースを備え、洋上風車への安全な人員移乗と物資移送を可能にする動揺補償機能を有したギャングウェイおよびクレーンやDPS(Dynamic Positioning System:自動船位保持装置)を搭載している。
完成イメージの船型を見ても分かるように、Ulstein独自の船体設計「TWIN X-STERN」を採用している。高い操縦性、効率的な定点保持能力、そしてエネルギー消費の低減を実現し、対称的な船体形状と推進システムの配置により、前後どちらの方向でも効率的な運航が可能。これにより、気象条件の変化に伴う船体の旋回(方向転換)の必要性が減り、より幅広い条件下での稼働を実現する。
その他にも、新造SOVはメタノール燃料および完全電動での運航に対応可能な仕様となっており、低排出ガスなエネルギーソリューションを導入する柔軟性を備えている。
台湾船籍で運航
2029年ごろに予定している竣工後は、國際海洋(IOVTEC)および新健海運(Hsin Chien Marine)とのパートナーシップのもと、台湾をはじめとするアジア・オセアニアにおける洋上風力プロジェクトへの投入を計画。
IOVTECは、2025年3月に日本郵船が出資をおこなった台湾の洋上風力発電関連企業で、複数のグループ会社を通じて、海洋調査、仮設電源供給ならびに気中部・水中部・海底ケーブルおよび洋上変電所などの包括的な運用・保守サービスを提供している。HCMは、ばら積み船の保有・運航を専門とする船主・船舶管理会社として日本郵船グループと長年の取引実績を有し、安全運航を通じて国際海運業の発展に寄与している。
新造SOVは、DNVと台湾船級協会(CR Classification Society)の二重船級(dual Class)を取得し、台湾船籍で運航する予定。