風力補助推進システム6基搭載のRORO船「Spirit of Toulouse」

出典:LD Armateurs
2026年10月15日、LD Armateursは中国の武昌船舶重工集団(Wuchang Shipbuilding Industry Group)で建造しているRORO船「Spirit of Toulouse」に6基の風力補助推進システム「Norsepower Rotor Sails」を搭載したと発表。
建造中のRORO船「Spirit of Toulouse」は、Airbusのチャーターが予定されている低排出型RORO船のシリーズ船3隻のうち1番船にあたる。2番船、3番船の船名は「Spirit of Mobile」および「Spirit of Mirabel」。2024年10月に建造が開始され、2026年2月に進水。そしてこの度、海上公試(Sea Trial)に先立ち、Norsepower社製の風力補助推進システム「Norsepower Rotor Sails」の搭載が完了。RORO船「Spirit of Toulouse」には高さ35m、直径5mの風力補助推進システム「Norsepower Rotor Sails」が6基搭載されており、RORO船としては最多の搭載数。


出典:LD Armateurs
RORO船「Spirit of Toulouse」は長さ169m、幅24m、総トン数19,021トン、載貨重量トン数5,300トン。メタノールとディーゼル燃料の両方を使用できるデュアル燃料主機2基と補機2基を搭載しており、メタノール推進システムと相乗的に機能するように設計された「Norsepower Rotor Sails」を組み合わせることで航海全体を通じて燃料消費量を削減し、効率を向上させる。
今後予定されている海上公試(Sea Trial)において、性能の確認および船内システムとのシームレスな統合に向けた包括的な試験を実施。さらに、中国からフランスへ向かう処女航海中にも最適化や微調整が継続しておこなわれ、この技術が持つ運用上のポテンシャルを最大限に発揮できるよう準備が進められる。
LD Armateurs社のCEOであるSamira Draoua氏は、RORO船「Spirit of Toulouse」について、イノベーション、運航に関する専門知識、そして強固な産業パートナーシップを組み合わせることで海事産業がいかに移行を加速できるかを示す具体的な実例だとした上で、この規模の船舶に6基のローターセイルとメタノール対応のデュアル燃料推進システムを統合したことは世界初の試みであり、低炭素な海運に向けた具体的なソリューションを先駆的に生み出そうとするLD Armateursの姿勢を物語っていると述べている。
「ローターセイル」(ROTOR SAIL)とは、航行中に回転している筒状のローターへ風が吹き込み、マグナス効果により、回転ローターに吹く風から揚力を発生させるという仕組み。ローター周りに圧力差が生じることで推進力を得る風力補助推進システム。

