RWEがJan De Nulの次世代設置船2隻を長期傭船契約
出典:Jan De Nul
ドイツに本社を置く大手エネルギー会社のRWEがJan De Nulの次世代洋上風力設置船2隻を長期傭船する契約を締結。長期チャーターする2隻は、世界最大の3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」と5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」。
世界最大クラスの洋上風車設置船2隻を長期傭船するとは驚き。発表されたプレスリリースによると傭船開始するのは数年先のようで、「Les Alizés」はデンマーク西側の北海で計画が進められている洋上風力発電所「Thor offshore wind farm」で最初に配備され、2025年から風力タービン基礎設置を開始する予定で、このプロジェクトから5年以上傭船するという。SEP起重機船「Voltaire」のほうは、2027年から4年以上傭船し、最初に配備されるプロジェクトはオランダ沖の「Hollandse Kust West VII wind farm」。
傭船する側としては、2隻が稼働するプロジェクトの見込みがあれば施工する作業船がいなくて困るという状況が無くなり、傭船される側としても稼働に空白が出来ないように受注を目指して必死に営業しなくても取り決めた金額が入金されるので、Win-Winの関係と言える。他にもメリットはあると思いますが、肝心な傭船費用はいくらくらいになるんでしょうか。世界最大クラスを4年以上と5年以上の長期傭船ですからトータルだと数百億円にはなるでしょうね。
世界最大の3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」
出典:Jan De Nul
2019年4月に中国のCOSCO Shippingと建造契約を行い、2020年5月に着工、2023年1月に完成・引き渡し。SEP起重機船としては世界最大となる3,200トン吊りのクレーンを搭載している。
| 船名 | Voltaire |
| クレーン能力 | 3,200トン (Huisman製) |
| 甲板上の揚程 | 162.5m |
| 長さ | 169.3m |
| 幅 | 60m |
| 深さ | 14.6m |
| レグ長さ | 130m |
| 作業水深 | 最大80m |
| 載荷重量トン | 21,500トン |
| 建造年 | 2022年 |
| デッキスペース | 7,000m2 |
| デッキ強度 | 20トン/m2 |
| 搭載可能重量 | 16,000トン |
| アジマススラスター | 3,000kw×4 |
| 格納式スラスター | 2,600kw×2 |
| バウスラスター | 2,600kw×2 |
| DPS | DYNAPOS-AM/AT-R (Class 2 相当) |
| 最大航行速度 | 11.5ノット |
| 宿泊設備 | 110室 |
5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」
出典:Jan De Nul
2023年1月16日に完成・引き渡しされた5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」。今回の記事で掲載された画像を見て、クレーンのAフレームが格納式という事を初めて知りました。
5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」の概要
| 船名 | Les Alizés |
| クレーン能力 | (主)5,000トン (補)1,500トン |
| 揚程 | (主)125m (補)167m |
| 長さ | 236.8m |
| 幅 | 52m |
| 深さ | 16m |
| 喫水 | 10.5m(最大) |
| DPS | DYNAPOS-AM/AT-R (Class 2 相当) |
| 載貨重量トン数 | 61,000トン |
| 貨物甲板面積 | 9,300m2 |
| 甲板強度 | 30トン/m2 |
| アジマススラスター | 3,000kW×4 |
| 格納式スラスター | 3,250kW×2 |
| バウスラスター | 2,600kW×2 |
| 最大速力 | 13ノット |
| 宿泊設備 | 150人 (1×120室、2×15室) |

