アンモニア燃料船へ世界初となるShip-to-Ship方式で燃料補給

2026年9月18日、日本郵船はジャパンマリンユナイテッド、日本シップヤード、三菱ガス化学、国華産業と、アンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC:Ammonia-Fueled Medium Gas Carrier)の燃料アンモニアによる海上試運転に向けて、9月17日にジャパンマリンユナイテッド有明事業所内岸壁においてアンモニア輸送船「松栄丸」からShip-to-Ship方式による燃料アンモニアの補給を完了したと発表。
アンモニア燃料船へのShip-to-Ship方式による燃料アンモニアの補給は世界初だという。
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、国際海運の脱炭素化に貢献する次世代燃料として期待される一方で、毒性を有するため取り扱いが難しく、実運用にあたっては安全性の高い確実なオペレーションの確立が課題となっている。今回おこなったアンモニア燃料船へのShip-to-Ship 方式による燃料アンモニアの補給は、関係各社との綿密な協議を経て、安全な運用方法および作業手順を確立した上で実施。今後のアンモニア燃料船の普及に向けて必要となるアンモニア供給体制構築の先行事例であり、安全な燃料供給オペレーションに関する実践的な知見が蓄積されたという。
建造中のアンモニア燃料アンモニア輸送船は、2026年11月に竣工予定。今回の成果は燃料アンモニアの商業利用拡大とアンモニア燃料船の社会実装を後押しする重要なマイルストーンで、アンモニアサプライチェーン構築に向けた大きな一歩としている。
40,000m3型アンモニア燃料アンモニア輸送船

| 船種 | 40,000m3型アンモニア燃料アンモニア輸送船 |
| 引き渡し時期 | 2026年11月(予定) |
| 建造場所 | ジャパンマリンユナイテッド有明事業所 |
| 搭載エンジン | 主機:ジャパンエンジンコーポレーション製 アンモニア燃料Dual Fuel(DF)2ストロークエンジン 補機: IHI原動機製 アンモニア燃料Dual Fuel(DF)4ストロークエンジン |
主な技術開発要素
- アンモニア燃料DFエンジンの開発
- アンモニア燃料DFエンジンは、パイロット燃料としての重油とアンモニアを混焼する必要がある一方で、高いGHG削減率達成のためには、高いアンモニア混焼率の達成が必要(本船全体として80%以上のGHG削減率を目指す)
- 主機:混焼率最大95%
- 補機:混焼率80%以上
- アンモニア燃料DFエンジンは、パイロット燃料としての重油とアンモニアを混焼する必要がある一方で、高いGHG削減率達成のためには、高いアンモニア混焼率の達成が必要(本船全体として80%以上のGHG削減率を目指す)
- アンモニア燃料船 船体の開発
- アンモニア輸送に最適化された船型として、フルキャパシティでのアンモニア積載を可能とする設計を実現
- 毒性から乗組員を守るための船型・安全システムを確立することが不可欠。アンモニア舶用燃料利用の最大の課題である毒性を克服する設計を実現
アンモニア燃料船開発にかかわる課題
- アンモニアの難燃性
- アンモニアは着火しにくい難燃性を持つため、エンジンで安定的に燃焼させる高度な技術開発が必要
- 温室効果ガスである亜酸化窒素の処理
- アンモニアの燃焼時にCO2の約265倍の温室効果を持つ亜酸化窒素(N2O)が発生する恐れがあり、亜酸化窒素の排出抑制及び処理に関わる技術が必要
- アンモニアの毒性
- アンモニアには毒性があるため、本船の配管やタンクから漏洩しない設計であると同時に、万が一漏洩した場合に船員の安全を守る対策が必要