前澤友作さんのメガヨット「NAUSICAÄ」処女航海


2026年5月23日、ルーセン造船所(Lürssen)はLinkedInの投稿で「Project Cosmos」として建造していた前澤友作さんのメガヨット「NAUSICAÄ」が処女航海(maiden voyage)に出発したことを明らかにしました。
LinkedInの投稿文は ”Delivery | NAUSICAÄ” という文言から始まっているため、引き渡しはおこなわれているようです。
メガヨット「NAUSICAÄ」は長さ114.2m、幅21m、総トン数6,593トン。
2023年3月におこなわれた進水式には、実業家の前澤友作さんも立ち会っていました。当時の建造予定では、進水式から1年半後、2024年9月ごろに完成するというスケジュールでした。建造工程はかなり遅延したようですが、素晴らしいメガヨットが完成してなにより。
建造価格について、メディアでは3億5,000万ドル、日本円に換算すると約385億円(2019年8月の為替相場 1ドル=110円として換算)とも報じられていますが、どこまで正確な数字なのかは分かりません。ただ、途方もない金額であることは間違いない。
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Lürssenの150周年を記念する特別な「Project Cosmos」

前澤友作さん向けとなるメガヨット「NAUSICAÄ」の建造は「Project Cosmos」と呼ばれており、建造をおこなうルーセン造船所にとっても、150周年を記念する特別なプロジェクトだという。
「Project Cosmos」は、ルーセン造船所で建造する船舶として水素燃料電池を搭載した初めてのメガヨット。従来の内燃機関モードでの航行に必要なディーゼル発電機に加えて、500kWの水素燃料電池2基を搭載。水素からエネルギーを取り出す燃料電池は、水素と酸素の電気化学反応から電気エネルギーを直接取り出すため発電効率が高く、反応時に出る熱を有効利用することで、高い総合エネルギー効率を得ることが可能。さらに、利用段階では二酸化炭素を排出しないという地球環境に優しいという特徴。


船体デザインは、オーストラリアのデザイナーであるマーク・ニューソン氏(Marc Newson)が手掛けている。全長114.2mというボリュームのある船体で特徴的なのは、テラスに面した位置のプライベート書斎として設計された上部の大きなガラスドーム。複雑なガラス工学の技巧を凝らし、厚いガラスの大きな部分を曲げるという特注品のガラスドームは遮るもののない360度のパノラマビューを実現するという。
ガラスのコンセプトはキャビンデッキにも引き継がれ、上層階全体を連続したガラスの帯で覆い、遮るもののない眺望を実現。船首前方にあるヘリポートの下はガラス張りの展望ラウンジがあり、ガラスの手すりが付いたオープンバルコニーから船尾方向へメインデッキを見渡すことが出来る。船尾側の後部デッキには、スイミングプールとジャグジーが備えられている。
船名「NAUSICAÄ」について
メガヨットの船名である「NAUSICAÄ」は、ギリシアの叙事詩「オデュッセイア」に登場するスケリア島(現在の地中海東部 イオニア海北東部に位置するギリシャのケルキラ島であるといわれている)の王女の名前と同じですが、そこに由来しているのかは不明。
日本人としては「NAUSICAÄ」と聞いて最初に思い浮かべるのは、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」(英語タイトル:Nausicaä of the Valley of the Wind)。主人公のナウシカは風使いとして小型グライダーのメーヴェを乗りこなし、腐海を含めた全ての生き物と心を通わす力と自然を愛する心を持っている。水素燃料電池を搭載し、地球環境に優しいという特徴を持つメガヨット「NAUSICAÄ」の船名は、「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカに由来する可能性はあるのかもしれません。あくまで推測ですけど。
処女航海は建造場所のレンズブルクからヘルゴラントへ

出典:Marinetraffic
メガヨット「NAUSICAÄ」の航跡を確認すると、処女航海として建造場所であるドイツのレンズブルクを出発したのは2026年5月23日07時45分(UTC)。キール運河を通り北海に出るルートで、約180km(約100海里)を航行してヘルゴラントへ到着したのは、およそ12時間後にあたる同日19時30分(UTC)。
今後、どのような予定になっているのか分かりませんが、前澤友作さんはいずれ日本でお披露目できたらいいなという希望をSNSで述べていたので、いつかは日本へ寄港するものと思われます。ですが、もし日本へ向かうとなっても、スエズ運河を通るルートで約21,000km(約11,300海里)、アフリカ大陸南端の喜望峰をまわるルートだと約28,000km(約15,100海里)という1カ月以上を要する壮大な航海が待っているので、無理はせず安全に航海して欲しいですね。首を長くして待ってるよ。