コンセプトは「Jack-up on Jack-up」
2024年9月3日、デンマークに拠点を置くKnud E. Hansenは革新的な設計の洋上風力タービン用メンテナンス船を発表しました。大きな特長はジャッキアップ船の甲板上に昇降する作業プラットフォームが搭載されているという点。
コンセプトは「Jack-up on Jack-up」。
Knud E. Hansenの掲載情報によると、ジャッキアップ船は長さ154m、幅64.4m、4本のレグにより水深80mの海域でジャッキアップが可能。そして、ジャッキアップ船の甲板上には幅15mの作業プラットフォームを備えており、ナセルの高さまで上昇させてブレードのメンテナンスをおこなうことができる。
作業プラットフォームには伸縮式のカバーが設置されており、昼夜を問わずほぼすべての気象条件でブレードの作業が可能なため、従来のメンテナンス船やロープアクセスよる風力タービンのメンテナンス作業と比較して、年間の作業時間が大幅に長くなり、計画的なメンテナンスのスケジュール設定ができると述べています。
最大20MWの風力タービンメンテナンスが可能
洋上風力タービン用メンテナンス船の作業プラットフォーム上にはクレーンも設置されているため、ブレードの補修に加えてハブ高さ175m、最大1,000トンのナセルや最大130mのブレード交換にも対応。クレーンは昇降する作業プラットフォーム上に設置されており、従来のSEP船に比べてブーム長さを30%短くした状態で同程度の揚程を確保。
格納式の船舶乗降装置
洋上風力タービン用メンテナンス船には、ジャッキアップした状態で水面まで届く格納式の船舶乗降装置を搭載。作業エリアで稼働するCTV(Crew Transfer Vessel:作業員輸送船)の母船としても機能するという。船尾側のダビットには2隻のボートが配置されている。
従来のSEP船で風力タービンへアクセスするギャングウェイなどの昇降設備はよく見ますが、ジャッキアップした状態で船舶からのアクセスが出来る乗降設備というのは、ありそうで無かったように思います。
斬新な設備や機能を搭載したKnud E. Hansenの洋上風力タービン用メンテナンス船はとても興味深い。気になるのは、安定性でしょうか。作業プラットフォームを上昇させている状態で格納式の船舶乗降装置にCTVがド~ンと着船すると・・少し怖いかも。
よく読まれている記事