台湾で重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」の座礁事故発生
2024年10月29日、台湾北部の野柳(Yeliou)沖でエンジントラブルにより航行不能となった重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)が漂流した後、海岸に座礁する事故が発生。
重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」は、10月29日7時頃(台湾時間)に基隆港(Keelung Port)を出港した直後に航行不能となり、基隆港から約10km沖合の新北市野柳沖で漂流。海岸から約0.5海里(約1km)の位置で投錨し、船を停泊。船に乗船していた17人の乗組員は、29日に全員が救助され避難できたようですが、船は無人の状態に。そして、台風21号による風速13m/s以上の強風と波高16フィート(約5m)の波浪によって走錨し、座礁。
座礁する前の段階では重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」をタグボートで曳航する計画もあったようです。台風による波浪で曳航できる状況では無かったのかもしれませんが、報道情報では中国からのタグボートが到着していないという情報もありました。
座礁した運搬船は約2週間前にコンテナクレーン倒壊事故を起こしていた
座礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)は、2024年10月14日に基隆港(Keelung Port)で港内に設置されていたコンテナクレーンと衝突し、倒壊事故を起こしていました。
2024年10月14日14時頃、台湾北部の基隆港(Keelung Port)で起きたコンテナクレーン倒壊事故の瞬間。港には作業員がいましたが負傷者は報告されていないそうですpic.twitter.com/ft3aFM6yFz
— クレーン船.com (@crane1000com) October 19, 2024
座礁により積荷のコンテナクレーン1基が倒壊、油流出の可能性も
重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」の甲板には基隆港で設置予定だったコンテナクレーン3基が積まれたままになっていて、座礁後の画像ではそのうちの1基が倒れています。
報道情報によると、船には軽油37トン、重油247トン、潤滑油6,280リットルが積まれており、座礁による船体破損で油の流出が懸念されている。11月1日午後より船から燃料などの油を抜き取る作業が開始される予定。
座礁によって船体が傾いていることに加えて、波浪による船体動揺によっては甲板の残る2基のコンテナクレーンも倒壊する恐れがあるため、油抜き取りは非常に危険な作業になりそう。
重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)
船名 | YU ZHOU QI HANG (钰洲启航) |
総トン数 | 9,968トン |
DWT | 12,135トン |
長さ | 142.8m |
幅 | 32.25m |
深さ | 8m |
速力 | 12ノット |
船籍 | 中国 |
建造年 | 2012年3月 |
出典:MarineTraffic | YE CHIA-WEI
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