水素燃料電池船「まほろば」完成、大阪・関西万博で運航予定
2024年10月24日、岩谷産業株式会社は建造していた水素燃料電池船「まほろば」が完成したことを発表しました。
水素燃料電池船「まほろば」は、2021年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択されており、従来の内燃機関船と違い、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない水素燃料電池を使用し、高い環境性能を有するだけでなく、においがなく、騒音・振動の少ない優れた快適性を実現しているという。
2023年6月に瀬戸内クラフトでアルミ合金製の船体建造を開始。船体部分を上下反転した状態で建造し、組み立てたあとに反転させ、その後上部構造を搭載。双胴型の船体建造、反転、上部構造搭載の様子はYouTubeで公開されており、岩谷産業のウェブサイト内にある特設サイトでも造船メイキングとして建造工程とともに紹介されています。現在アップロードされているメイキング動画は3本だけのようですが、今後も電気艤装・内装設置、水素燃料電池ユニット搭載、推進機搭載といった動画投稿が予告されていました。
リンク先 岩谷産業 | 水素燃料電池船特設サイト
大阪・関西万博で運航を予定
水素燃料電池船「まほろば」は、2024年5月に実施した進水式の時に船名「まほろば」を命名、内装工事や海上試運
転を経て、10月18日に大阪・中之島ゲートまで曳航され無事到着。今後、船舶検査証を取得した後には、実証運航をおこない、2025年4月には大阪・関西万博の海上輸送として運航を開始する予定。
運航ルートは、「中之島ゲート」から「ユニバーサルシティポート」を経由して大阪・関西万博の会場「夢洲」へと航行するもので、各区間の所要時間は約20分。
運航は船舶運航で実績のある京阪グループの大阪水上バス株式会社に委託するという。大阪・関西万博での運航開始まで半年という短い期間の中、今後は実証運航を経て大阪・関西万博において安全に運航できるように取り組んでいくと述べている。
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