アメリカのケンタッキー州にあるルイビル近くのオハイオ川で数隻のバージがマカルパイン水門に衝突する事故が発生。衝突というか流れに吸い寄せられたバージが水門にへばりついた状態で、3隻のバージが立ち往生しており、その内1隻は有毒なメタノールを積載しているという。
アメリカで数隻のバージがダムに衝突 1隻は有毒なメタノールを積載
10 barges, including one carrying methanol, break free from a tugboat on the Ohio River
(メタノールを運ぶ 1 隻を含む 10 隻のバージがオハイオ川のタグボートから脱出)
https://www.nbcnews.com/news/us-news/barges-one-carrying-methanol-break-free-tug-boat-ohio-river-rcna77109
事故が起きたのは2023年3月28日の午前2時頃、アメリカのケンタッキー州ルイビル近くを流れるオハイオ川で10隻のバージが流され、そのうちの3隻がマカルパイン水門に衝突する事故が発生。
出典：Twitter | @KentuckyEEC
衝突したバージは、横向きになった状態で水門にせき止められるような形で川の流れによって吸い寄せられた感じで立ち往生。
多くのバージは大豆やトウモロコシを積むためのものと見られていますが、1隻は約1,400トンの有毒なメタノールを積載可能なバージだったそうです。実際に何をどの程度積んでいたのかは不明ですが。
ルイビルの緊急事態管理局によると、「現在、タンクの破損や漏れの報告はなく、空気と水質の監視を行っている」と述べている。さらに、沿岸警備隊のスポークスパーソンによると、事故が発生した下流側の航行は閉鎖されており、バージの撤去に向けたサルベージ作業が行われる予定。
ルイビル水道局は、”事件は取水口の下流で発生したため、市の飲料水に影響はない”と述べたそうですが、オハイオ川は下流でミシシッピ川と合流し、メキシコ湾に流れているので有害物質の流出による影響範囲は広がりそうです。
事故の原因は？
事故を報じるニュース記事を見ると ”10隻のバージがオハイオ川のタグボートから脱出” という何とも意味不明な翻訳。記事を読み進めると ”1隻は係留されたまま” ということなので、恐らく11隻のバージがマカルパイン水門近くのオハイオ川に係留されていたものと思われる。グーグルマップの航空写真でマカルパイン水門付近を見てみると、川べりに複数のバージやボートを係留しているのが確認できました。
画像の位置に係留されていたバージが流されたのかどうかは不明ですが、可能性は高そう。
グーグルマップ航空写真の3D表示でもう少し詳しくバージを確認すると、川べりの樹木を利用して係留ラインを取っているようにも見える。そして川べりのバージ以外はアンカーを投錨していないような感じなので係留した1隻のバージにその他のバージを連結しているだけのようです。
川の増水が原因？
グーグルマップ航空写真の画像が平常時の水量かどうかは不明ですが、事故後の方が圧倒的に川を流れる水量が多いことが分かります。川の増水により横抱き同士で係留していたバージの係留ラインが切れて流された結果、マカルパイン水門にバージが衝突したという可能性は十分にありそう。
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