フランスの浮体式洋上風力「EolMed」で最初の風力タービン曳航

フランスの浮体式洋上風力試験プロジェクト「EolMed」で1基目となる風力タービンを搭載した浮体の曳航を開始。
フランス南部のグリュイッサン沖18kmの地中海で建設予定の浮体式洋上風力試験プロジェクト「EolMed」は、Qair、TotalEnergies、BW Ideolによって開発がおこなわれており、セミサブバージ型の浮体基礎(45m x 45m x 17m)にVestas製の風力タービン「V164-10.0 MW」を搭載し、設置数は3基で総発電容量30MW。
プロジェクトに参加しているBOURBONはLinkedInへの投稿で、ポール=ラ=ヌーヴェルから1基目の浮体式風力タービンの曳航を発表し、設置場所で係留索の設置および最終係留が完了したことを明らかにしています。引き続き、残る2基の曳航と現地での設置作業がおこなわれる予定。


約20km沖の設置場所へ丸一日かけて曳航
風力タービンを搭載した1基目の浮体をポール=ラ=ヌーヴェルから約20km沖の設置場所へ曳航する作業には、丸一日を要したという。
巨大な浮体基礎(45m x 45m x 17m)とは言え、10MW風力タービンのローター直径は164m、浮体上からの高さは198m。曳航物件として安定性の高いものでは無いため、ゆっくりと慎重に曳航する必要があると思われます。港内を出るまでは港湾タグボートに曳航され、港外で洋上支援船「BB Octopus」(全長78.3m)に切り替えて曳航をおこなったということなので、丸一日という所要時間には曳航索を取り換える作業の時間も含まれているようです。
洋上支援船「BB Octopus」のAIS情報を確認すると、1基目の曳航作業は2025年12月4日から5日にかけておこなわれており、曳航時の速力は2ノット以下でした。曳航索の取付位置によって変わるでしょうけど、ゆっくり曳航しても多少は浮体が傾くと思う。巨大な風力タービンを搭載した浮体曳航は気の抜けない作業。
港外で洋上支援船「BB Octopus」へ主曳船を切り替える様子


浮体式洋上風力試験プロジェクト「EolMed」

- 設置位置:フランス グリュイッサン沖18kmの地中海、水深55m
- 発電容量:30MW
- 風力タービン:Vestas V164-10.0 MW、3基
- 風車基礎:浮体式、セミサブバージ型(45m x 45m x 17m)
- 風車形状:ローター直径 164m、ブレード長さ 80m、ハブ高さ 116m、全高 198m
- 運転開始予定:2025年第3四半期(当初予定は2024年半ば)



















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