「Orion」がMoray Westでモノパイル設置を完了
2024年4月15日、DEMEは5,000トン吊りクレーン船「Orion」でおこなっていたMoray Westでのモノパイル設置が完了したことを発表しました。スコットランド沖で建設が進められている「Moray West offshore wind farm」では、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」60基と2基の洋上変電所を設置する計画となっており、そのうち「Orion」が担当していたのはモノパイル29基の設置。
「Moray West offshore wind farm」でクレーン船「Orion」による最初のモノパイル設置がおこなわれたのは2024年2月。DEMEの掲載記事によると29基のモノパイル設置作業は約2カ月という短期間で迅速に施工を完了。最大重量2,000トンの巨大モノパイルをアンカーによる係留はおこなわず、完全にDP制御下で設置したという。
DEMEは、迅速な施工に大きく貢献した設備としてパイルグリッパーとバイブロハンマーを挙げています。パイルランリスクがある場所では、1次打設としてバイブロハンマーを使用し、最終打設深度への打ち込みには油圧ハンマーを使用。
CAPE Hollandの掲載記事によると、「Moray West offshore wind farm」向けとして、DEMEへ「CAPE VLT-640 Quad」、Boskalisへ「CAPE VLT-640 Triple」がそれぞれ納入されているようです。
SEP起重機船「Wind Orca」による風力タービン設置
「Orion」によるモノパイル打設が終わった「Moray West offshore wind farm」では、引き続き風力タービン設置に向けてSEP起重機船「Wind Orca」による準備がおこなわれているようです。
AIS情報によると、風力タービン設置をおこなうSEP起重機船「Wind Orca」は4月13日に拠点港であるナイッグへ到着。4月から10月の期間で風力タービン設置作業が実施される予定となっており、部材積み込みなど準備が整い次第、「Wind Orca」による設置作業が開始されるものと思われる。
施工を完了した「Orion」はアメリカへ
担当分の施工を完了した「Orion」はというと、4月15日にインバーゴードンを出港してアメリカへ。DEMEの掲載情報では4月下旬にバージニア州のノーフォーク港へ到着する予定。
アメリカではDominion Energyがバージニア州沖で開発を進める「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」のモノパイル設置をおこなうことが明らかにされています。DEMEは、モノパイル基礎設置に加えて洋上変電所の設置も請け負っており、そちらも「Orion」で施工する可能性が高い。
結構ハードなスケジュール。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」の概要
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