メガワット級浮体式波力発電ユニット「南鲲」試験運転開始
2023年6月14日、広東省 珠海市の沖合に設置されたメガワット級浮体式波力発電ユニット「南鲲」(NAN KUN)の試験運転が開始されました。設置海域への曳航は6月7日に実施され、係留を含めた運転開始への準備が進められていたそうです。
名称 | 南鲲 (NAN KUN) |
平面面積 | 3,500m2以上 |
重量 | 4,000トン以上 |
発電出力 | 1MW |
メガワット級浮体式波力発電ユニット「南鲲」は、巨大な三角形のプラットフォームをベースに発電システム、油圧システム、監視・係留設備などで構成され、平面面積は3,500m2以上、重量は4,000トン以上という大きさ。上部には太陽光パネルを設置しているのが確認できます。
最大負荷条件下で1日当たり24MWhの電力を発電し、約3,500世帯に電力を供給することが出来るという。1日24時間の発電電力量が24MWhなので出力は1MW。台風などの荒天時にはバラスト調整により浮体を一定程度沈めて耐性を高める設計になっており、クラス16(51.2~55.8m/s)の風速にも耐えることが出来るそうです。
再生可能エネルギーの一つである波力エネルギーは、環境負荷が少ないという利点から中国では開発が必要な新エネルギーとして位置づけられている。近年、中国の国内外で研究・製造されている波力発電装置は出力100kW程度と規模が小さい。今回実施しているメガワット級波力発電装置の開発に成功すれば、波力発電の経済性と商業運用の実現可能性を大幅に向上させることが出来るという。将来的には海洋観測、海水淡水化、海洋水素製造、海洋養殖など海洋応用開発の強力なサポート設備としての運用が見込まれているそうです。
2023年1月に実施された波力発電ユニットの進水式では半潜水式バージを使用
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