インド沖で発生したコンテナ船火災、まだ鎮火していない状態
2024年7月19日14時30分(インド時間)、インド西部のアラビア海を航行していた全長254mのコンテナ船「MAERSK FRANKFURT」で火災が発生。そして、10日後の7月28日時点でまだ鎮火していない状態。
インド沿岸警備隊によると、7月19日にムンバイの海上救助調整センター(MRCC,Maritime Rescue Coordination Centre)がインドのカルワル沖約50海里(約93km)にいるコンテナ船「MAERSK FRANKFURT」からの救難信号を受信したと報告。インド沿岸警備隊はただちに巡視船「Sachet」「Sujeet」「Samrat」と航空機「Dornier 228」を派遣し、救助活動および消火活動に対応。
火災により乗組員1人が死亡
7月21日、MaerskはX投稿でコンテナ船で起きた火災により、乗組員1人が死亡したことを明らかにしています。
コンテナ船「MAERSK FRANKFURT」には乗組員21人が乗船しており、事故当時は7月17日にインドのムンドラを出港し、7月22日にスリランカのコロンボ港に到着する予定でした。
7月19日の消火活動
@IndiaCoastGuard MRCC #Mumbai received distress call on 19 Jul 24 from container carrier MV Maersk Frankfurt 50 NM off #Karwar regarding major #fire onboard. #ICG #Dornier & Ships Sachet, Sujeet and Samrat pressed into action. #ALH and additional aircraft being mobilized to… pic.twitter.com/b6JKlY2f75
— Indian Coast Guard (@IndiaCoastGuard) July 19, 2024
7月20日の消火活動
Further updates on #MaerskFrankfurt fire:@IndiaCoastGuard Ships Sujeet, Sachet and Samrat have been fighting the fire for over 12 hours, preventing its spread. As of 0700 hrs, 20 Jul, the vessel is 6.5 NM south of #Karwar, #ICG Dornier aircraft Ex #Goa is conducting aerial… pic.twitter.com/nevStJvjpa
— Indian Coast Guard (@IndiaCoastGuard) July 20, 2024
7月20日、ドライケミカルパウダー(粉末消火薬剤)を投下する様子
@IndiaCoastGuard continues firefighting efforts on MV Maersk Frankfurt. #ICG helicopters are now deployed, with an ALH air-dropping 150 kg of Dry Chemical Powder to control the blaze. Visuals provide insights into the operation. #ICG #MaritimeSafety #Firefighting #MaerskFrankfurt… pic.twitter.com/20rqeJaqW1
— Indian Coast Guard (@IndiaCoastGuard) July 20, 2024
7月21日、23日の消火活動
7月28日時点では、まだ完全に鎮火していない状態
「Sahayata」作戦の10日目、インド沿岸警備隊は、ニュー・マンガロールの南西50海里にあるMV Maersk Frankfurtの消火と汚染防止活動を続けています。過去10日間で、ICG船5隻、ヘリコプター2機、ドルニエ航空機1機が配備されました。1200kgの乾燥化学粉末が空中投下されました。船主/DPAは、消火と廃棄作業を管理するために専門の救助機関を雇いました。ICGは、5隻の救助船の乗船を支援しました。タグボートAlbattros 5、Maha Wewa、ETV Water Lilyが現場に到着しています。タグボートCreative-Iは本日到着予定で、AHTS Valiantは24年7月30日までに到着する予定です。ICGは、救助船が到着するまで救助船を支援し続けます。困難な状況にもかかわらず、状況は制御されており、私たちの敏感な海岸線は安全です。
出典:X | Indian Coast Guard(@IndiaCoastGuard)
2024年7月28日にインド沿岸警備隊のX投稿では火災発生から10日が経過してもなお、消火活動が続けられていることが明らかにされています。放水による消火活動に加えて、ヘリコプターからの粉末消火薬剤投下が実施されており、これまでに1,200kgの粉末消火薬剤が投下されたという。
インド沿岸警備隊の船舶や航空機以外に、船主手配のタグボートが現場に到着し、コンテナ船「MAERSK FRANKFURT」の支援活動に加わっているそうです。
火災原因について現段階では明らかにされていませんが、ここまで消火活動が長引いていることを考えるとリチウムイオン電池が関係しているのかもしれません。出火元ではないにしても、コンテナ内にリチウムイオン電池が積まれていて延焼したことで火災が長期化している可能性も。
コンテナ船「MAERSK FRANKFURT」
コンテナ船「MAERSK FRANKFURT」は、日本の今治造船で建造され2024年5月に竣工したばかり。そして日本の船級協会である日本海事協会(ClassNK)で船級登録されており、登録されている船主は愛媛県今治市のTOKEI KAIUN LTD.(東慶海運株式会社)。
船名 | MAERSK FRANKFURT |
総トン数 | 57,872トン |
載貨重量トン | 76,507トン |
コンテナ積載容量 | 5,920TEU |
長さ | 254.94m |
幅 | 40m |
深さ | 21.7m |
船籍 | パナマ |
建造年 | 2024年5月 |
出典:IMABARI SHIPBUILDING
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