米ボルティモアの橋崩落事故、橋の撤去作業に向けてクレーン船到着

米ボルティモアの橋崩落事故、橋の撤去作業に向けてクレーン船到着 事件・事故
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米ボルティモアの橋崩落事故、橋の撤去作業に向けてクレーン船到着

アメリカのメリーランド州ボルティモアに架かるフランシス・スコット・キー橋の橋脚にコンテナ船「DALI」が衝突した事故で、崩壊した橋桁などの撤去作業に向けて複数のクレーン船が現場に到着。

クレーン船は海軍海洋システムコマンド(Naval Sea Systems Command)を通じて契約されており、3月29日までに130トン~900トン吊りのクレーン船3隻が現場に到着。来週初めまでに400トン吊りのクレーン船1隻が到着する予定。

フランシス・スコット・キー橋の撤去作業をおこなうため、さらに多くのクレーン船やタグボート、台船などの船舶がすでに手配されているという。

手配されているクレーン船および船舶
  • フローティングクレーン:7隻
  • タグボート:10隻
  • 台船(バージ):9隻
  • サルベージ船:8隻
  • 沿岸警備隊の船舶:5隻

撤去作業で最大の難関はコンテナ船の船首を覆っている橋桁

現在、撤去作業を安全かつ責任ある方法で実施するため、沿岸警備隊主導の統合司令部は連邦、州、市の団体と民間企業と協力し、サルベージ計画の策定に取り組んでいるという。

なかでも最大の難関になっているのはコンテナ船「DALI」の船首に覆いかぶさっている橋桁の撤去。しかし、その部分だけでも3,000~4,000トンの重量があると想定されており、橋桁をいくつかのセクションに分割して撤去する必要があるという。

事故後の映像や画像を見ただけでもコンテナ船の船首部分にある橋桁撤去の難易度が高いということは想像出来る。吊り上げ能力の大きなクレーン船を手配したとしても橋桁が横に長く、損傷していることから吊り上げ時の自重に橋桁自体が耐えられないため、1隻のクレーン船で撤去することは恐らく無理。

分割撤去の場合でも、橋桁を切断する時にバランスが崩れる可能性を考えると隣接する橋桁も吊り上げておく必要がありそう。どのような手順で撤去が進められるのか今後の進捗に注目ですが、2次災害の危険性が高い作業なので無事に作業が進んで欲しいと思う。

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現場に到着しているクレーン船

現場に到着している3隻のクレーン船は、どれも”crane barge”と呼ばれる非自航式。そして、3隻すべてニュージャージー州に本社を置くDonjon Marineの所有船。

3隻の他にも現場を映した画像にはクローラークレーンを搭載したクレーン船が確認できますが、船名は判別できませんでした。

現場に到着しているクレーン船
  • 「Chesapeake 1000」:907トン吊り、固定式
  • 「Farrell 256」:181トン吊り、旋回式
  • 「Oyster Bay」:136トン?吊り、旋回式(クローラークレーン)

クレーン船「Chesapeake 1000」

船名Chesapeake 1000
クレーン能力907トン
(1,000トン)
長さ58.27m
30.84m
深さ6.12m
建造年1972年
※( )内の数値はショートトン
クレーン船「Chesapeake 1000」
出典:U. S. Coast Guard

クレーン船「Farrell 256」

船名Farrell 256
クレーン能力181トン
(200トン)
長さ60.96m
17.07m
深さ4.27m
建造年バージ:1969年
クレーン:1992年
※( )内の数値はショートトン
クレーン船「Farrell 256」
出典:U. S. Coast Guard

クレーン船「Oyster Bay」

船名Oyster Bay
クレーン能力136トン?
(150トン?)
長さ50.29m
13.26m
深さ3.66m
建造年2018年
※( )内の数値はショートトン
クレーン船「Oyster Bay」
出典:Donjon Marine
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