台湾の高雄港沖でコンテナ船が異常な傾き、空のコンテナ6個流出

台湾の高雄港沖でコンテナ船が異常な傾き、空のコンテナ6個流出 事件・事故
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台湾の高雄港沖でコンテナ船が異常な傾き、空のコンテナ6個流出

2023年7月20日、台湾南部の高雄港沖およそ5kmの海上で全長173mのコンテナ船「ANGEL」が大きく傾き、積み荷のコンテナが海に流出する事態が発生。

報道されている情報によると、午前9時頃に台湾の沿岸警備隊にあたる海巡署(Coast Guard Administration)は、コンテナ船「ANGEL」から救助要請の報告を受けたという。その後、乗船していた19人の乗組員は船を放棄し、巡視船に全員救助されている。

コンテナ船「ANGEL」には積み荷として空のコンテナが約1,300個が積まれているとみられ、その内6個のコンテナが海に落下。2箇所ある高雄港への入り口のうちコンテナ船「ANGEL」に近い第1入り口(First entrance)を輸送上の危険が生じるとして閉鎖。船舶は第2入り口(Second entrance)から通常通り出入りしているという。

高雄港を管理する台湾港務株式会社 高雄港務支店(Taiwan International Ports Corporation Kaohsiung Branch)は、事故の第一報を受けて緊急対応チームを設置し、油流出の可能性があるために少なくとも2本のオイルフェンスを設置するよう海運代理店に要請したと発表。発電機とポンプを使用して船倉から浸水した水の排水がおこなわれ、依然として危険な状態のコンテナ船からさらなるコンテナの流出を防ぐ措置がとられている。

画像を見る限り船体が異常に傾いた状態ですが、今のところ沈没はしていないようです。予断を許さない状態ではありますが。

事故を起こしたコンテナ船「ANGEL」の概要

コンテナ船「ANGEL」
出典:FleetMon | haroship
船名ANGEL
総トン数16,145トン
積載能力1,581 TEU
長さ173m
25m
建造年2003年
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中国では衝突により水没したコンテナ船からコンテナ40個以上流出

台湾で起きた事故の3日前にあたる2023年7月17日には、中国の浙江省寧波市沖で船舶同士の衝突事故が発生し、衝突による損傷で船体が水没したコンテナ船「新遠隆6」(XIN YUAN LONG 6)から積荷のコンテナが少なくとも40個海に流出する事故が起きたばかり。

事故原因は同じではありませんが、積荷のコンテナや油の流出など船体が大きいだけに周辺環境に及ぼす被害の程度も甚大になることが予想される。今回の台湾で流出したコンテナは報道によると空であるという事ですが、中身が薬品であったり海洋生物に直接影響があるような物質が積まれている場合もある。コンテナ流出というのは重大な被害につながる可能性があるという認識が必要。

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スリランカ史上最悪の環境災害 コンテナ船「X-Press Pearl」事故

船名X-Press Pearl
船種コンテナ船
総トン数31,629トン
コンテナ積載2,756TEU
長さ186m
34.8m
建造年2021年
コンテナ船「X-Press Pearl」
出典:Wikipedia | By Isuruhetti – Own work, CC BY-SA 4.0, Link

2021年5月20日、スリランカ西部のコロンボ沖で火災が発生し、同年6月2日に沈没したコンテナ船「X-Press Pearl」。

火災の原因はコンテナから漏れ出た硝酸とされている。

コンテナ船には硝酸25トンの他にプラスチックペレットと呼ばれる小さなプラスチックの粒が入ったコンテナが3つ積まれており、それぞれの重量は26トンで計78トン積まれていた。そのまま流出したものや火災により溶けながら流出したものなどによる影響で、スリランカの海岸には海洋生物の死骸が多く打ち上げられ、スリランカ史上最悪の環境災害の1つと呼ばれているそうです。

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