2016年に建造された中国の「Zhen Hua 30」(振华30)は、12,000トン吊りのクレーンを搭載したアジア最大のクレーン船。
12,000トン吊りクレーン船「Zhen Hua 30」
巨大な船体が特徴的な「Zhen Hua 30」(振华30)を所有するのは、ZOMC(ZPMC-OTL Marine Contractor)という中国のZPMC(上海振华重工)とアメリカのOTL(OffshoreTech LLC)との合弁会社。
-クレーン能力-
「Zhen Hua 30」は、2016年に建造され固定吊り12,000トン、旋回吊り7,000トンのクレーンが搭載されている。”固定吊り”というのは、👆上の画像で言うと右側のような吊り方。ブーム付け根の位置から下側に突き出ているブロックと船尾側端部の甲板上から突き出ているブロックが合致する位置でのみ12,000トン吊り上げ可能。
船名 | Zhen Hua 30 (振华30) |
---|---|
吊上げ能力 | (固定)12,000トン (旋回)7,000トン |
長さ | 297.55m |
幅 | 58.0m |
深さ | 28.8m |
建造年 | 2016年 |
船籍 | 香港 |
所有会社 | ZPMC-OTL Marine Contractor Ltd. |
クレーン1基だけの吊り上げ能力で比べると世界最大の容量を誇る。ただ、クレーン固定時と旋回時の能力差が大きく、旋回式のクレーン船としては7,000トン吊り。
-搭載されているプロペラ-
ABB(Asea Brown Boveri)の3,250kw Azipod 4基など搭載されたプロペラにより自航可能。航行速力は、最大12ノット。DPS(自動船位保持装置)は、ABS(アメリカ船級協会)によるDPS-2を取得している。
-係留設備-
アンカーによる係留設備も搭載されていて、巻き上げ能力143トン、ホールド能力408トンのアンカーウインチが10台、それぞれに2,500mのワイヤーと12トンの高把駐力アンカー「STEVPRIS Mk5」がセットされている。チェーンアンカーは、直径122mm、長さ770mのチェーンに18.8トンのアンカーがセットされた72トン巻きの揚錨機が2台。
出典:DELMAR SYSTEMS & VRYHOF
-宿泊設備-
宿泊設備は1人部屋72室、2人部屋2室、4人部屋76室で380人分。その他に収容人数50人の会議室が1室、20人の会議室が2室ある。
吊り上げ記録
「Zhen Hua 30(振华30)」の吊り上げ記録は、6,000トン。2017年5月2日に中国の香港沖で建設していた香港・珠海・マカオを結ぶ「港珠澳大橋」の沈埋函設置作業。
「港珠澳大橋」は、2009年に着工し、2018年に開通。全長49,968mという世界最長の海上橋。建設費用は約1,100億人民元、日本円に換算すると約1兆8千億円。
香港側にある2つの人工島を結ぶ延長6.7kmの海底トンネル。33函の沈埋ケーソンが設置された後の最終ブロック設置を「Zhen Hua 30(振华30)」が行いました。
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