笠岡沖で沈没した漁業取締船「白鷺」の引き揚げスケジュール発表
2024年6月7日、水産庁は非公開で説明会を開き、岡山県や笠岡市の担当者、漁業関係者らに向けて笠岡沖で沈没した漁業取締船「白鷺」の引き揚げスケジュールを発表しました。引き揚げスケジュールは、6月9日にクレーン船を使用して船体を引き揚げ、翌日の10日に保管場所へ曳航するというもの。保管場所については公表されていない。
座礁時に損傷した漁業取締船「白鷺」の船体亀裂を修復する作業や引き揚げ用の吊具取付は、既に完了しているという。6月9日午前9時頃から引き揚げを開始する予定。
漁業取締船「白鷺」が笠岡沖で座礁したのは、5月21日午前9時40分頃。事故当時、取り締まり活動のため広島県の尾道港から兵庫県淡路島の洲本港に向けて航行しており、乗船してた乗組員14人は救助されて無事。その後、船体に残っている油の抜き取り作業が実施され、5月27日に終了しています。
事故発生からのタイムライン
- 2024年
5月21日座礁事故発生、その後船体は沈没 - 5月27日漁業取締船「白鷺」の油抜取り作業終了
- 6月9日船体引き揚げ(予定)
- 6月10日保管場所へ船体移動(予定)
引き揚げ作業をおこなうクレーン船は?
引き揚げスケジュールは公表されましたが、使用するクレーン船などは明らかにされていません。
沈没位置付近の水深が浅い場所であることや「白鷺」船体長さが42.5mとそこまで大きくないことに加えて、船体が沈没時と同じ状態で反転させる必要がなければ、1フックの旋回式クレーン船でも引き揚げることが出来るのかもしれません。しかし、船体が前後に大きく傾いたままの状態だと2フック以上の起重機船で引き揚げる方がより安全な方法と言えそう。
吊り上げ能力3,000トン未満で「白鷺」引き揚げが出来そうなクレーン船をピックアップ。どのクレーン船で作業を実施するのかは不明ですが、順調にそして安全に引き揚げを進めて欲しいですね。
船名 | クレーン能力 | クレーンタイプ | 現在地 | 所有会社 |
---|---|---|---|---|
駿河 | 2,200トン | 起伏式 | 不明 | 深田サルベージ建設 |
金剛 | 2,050トン | 起伏式 | 兵庫県相生 | 深田サルベージ建設 |
第一豊号 | 1,800トン | 旋回式 | 福岡県北九州 | 森長組 |
神翔-1600 | 1,600トン | 旋回式 | 台湾 | 寄神建設 |
新建隆 | 1,400トン | 起伏式 | 兵庫県播磨 | 寄神建設 |
大和 | 700トン | 起伏式 | 不明 | 深田サルベージ建設 |
第8若栄丸 | 600トン | 旋回式 | 徳島県 | 兼子建設 |
宏栄号 | 600トン | 起伏式 | 不明 | 深田サルベージ建設 |
水産庁の漁業取締船「白鷺」
船名 | 白鷺 |
総トン数 | 149トン |
長さ | 42.5m |
幅 | 6.7m |
最大搭載人員 | 20人 |
建造年 | 2005年3月 |
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