ロケット回収船「星際帰航」進水、2025年10月引き渡し予定

2025年8月5日、中国の江蘇省揚州市にある江蘇潤揚船業で星際栄耀航天科技集団(i-Space)向けに建造しているロケット回収船「星際帰航」(星际归航、Xing Ji Gui Hang)の進水式がおこなわれました。
建造中のロケット回収船「星際帰航」は、打ち上げたロケットを再利用するために洋上で回収するという少し珍しい用途で使用予定の船舶。船体寸法は長さ100m、幅42m、深さ6.5m。ロケットを回収する甲板スペースは60m×40mでDP2の自動船位保持装置(DPS)を搭載している。
星際栄耀の掲載情報によると、四級海況(波高1.2~2.4m)で目標を捕捉することが可能な設計となっており、航行だけであれば五級海況(波高2.4~4m)まで安定して航行が可能。
進水がおこなわれたロケット回収船「星際帰航」は、引き続き艤装や機械・電気設備の試運転、海上での性能試験などがおこなわれる予定となっており、9月には海南省へ到着するという。引き渡し予定は2025年10月の予定。
中国初のロケット回収船、2025年にロケット回収を予定
”“星际归航”号是我国首艘、世界第五艘海上运载火箭回收船,标志着我国成为全球继美国之后第二个拥有运载火箭回收船的国家。”
(「星際帰航」は我が国初の海上輸送ロケット回収船であり、世界でも5隻目となります。中国はアメリカに次ぎ、世界で2番目に輸送ロケット回収船を保有する国となりました”
出典:星际荣耀航天科技集团股份有限公司 | 星海启航·星际归航——“星际归航”号运载火箭回收船吉水仪式盛大举行(https://www.i-space.com.cn/news)
星際栄耀は掲載記事の中で、「星際帰航」は中国初のロケット回収船であり、世界で5隻目となるとした上で、洋上ロケット回収技術の発展において確固たる重要な第一歩となると述べています。今後、ロケット回収船「星際帰航」は様々な中型・大型再使用型ロケットの洋上回収ミッションにも対応し、重要な足掛かりとなることが期待されている。
ロケット回収船「星際帰航」は、「双曲線3号(SQX-3)」と呼ばれるロケットのブースター回収用に建造が進められており、星際栄耀のウェブサイトに掲載されている情報では2025年に最初のロケット回収作業、2026年に回収したブースターの再利用を実施するというスケジュールが記載されています。
長さ | 69.6m |
ロケット本体直径 | 4.2m |
ペイロードフェアリング径 | 5.2m |
離陸質量 | 491トン |
ペイロード | 回収時:8.5トン 非回収時:14トン |
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