浮体式デュアル洋上風力「OceanX」、タービン組み立て開始
中国の明陽智能(MingYang Smart Energy)が建造している世界最大の浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」の風力タービン設置作業が始まりました。
浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」は1つの浮体にV字型のタワーを取り付けて、それぞの先端に8.3MWの風力タービン2基を搭載し、合計容量は16.6MW。タワー先端と浮体部分にはガイドロープが張られており、固定されていることからも分かるように「OceanX」は一点係留によるダウンウィンド方式を採用している。
報じられている画像によると、V字型タワーとナセルの設置まで終わっているように見えます。ヤード内では、ハブに3枚のブレードを取り付けて大組みが進められており、間もなく設置がおこなわれるといった感じ。
広東省広州市で建造
報じられている建造中の画像背景にSEP船が映り込んでいる。このSEP船は上海サルベージの1,200トン吊り「群力」(QUN LI)であることから、AIS情報を確認すると「OceanX」の組み立て場所は広東省広州市のようです。
「OceanX」の概要
明陽智能のLinkedIn投稿によると、「OceanX」に搭載するV字型の風力タービンタワーは楕円形になっており、台風などの極端な気象条件下で負荷を軽減する構造を採用。そして、浮体の各頂点からタワー上部へガイドロープを張ることで荷重を分散し、タワー軽量化を実現しているという。
総重量は15,000トン以上
浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」が発表されたのは、2022年9月。その時に公表された重量を意味する排水トン数は、15,155トン。平面的なプラットフォーム1辺の長さは105m、全体高さは200m以上。
他にも当時公表された情報として、大きな浮体式プラットフォームを制御するため「OceanX」には3,000以上のセンサーを搭載。風車自体が周囲360度の状況を認識して、自らの動作条件を自動調整できるようにするデジタルツイン技術を採用。衛星通信システムによりリアルタイムのデータ転送と姿勢バラスト制御をおこなう。
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