フリシンゲンでカルバドス洋上風力向け部材のマーシャリング作業
オランダのフリシンゲン(Vlissingen)にある中間貯蔵場所でカルバドス洋上風力発電所向け部材のマーシャリング作業の様子が施工をおこなう Fagioli S.p.A. のYoutubeで公開されました。
動画では、ドイツの EEW SPC で製造されたモノパイルの他にトランジションピースのマーシャリング作業が紹介されています。EEW SPC から運搬されたモノパイル最終便は2023年6月29日にドイツのロストックを出港しており、その時の運搬船「DONGBANG GIANT NO 6」も出てきますが、動画撮影時は最終便ではないようです。
カルバドス洋上風力発電所の概要
カルバドス洋上風力発電所でモノパイル設置には、Dieseko のバイブロハンマー「GIANT 2000」が使用される可能性が高そうなので注目してます。新情報が公表されれば記事にしたいんですが、まだヴェールに包まれている状態。気になる。
マーシャリング作業の様子
カルバドス洋上風力発電所の設置場所はフランス沖ですが、モノパイル、トランジションピースなどの中間貯蔵場所として選ばれたのは、オランダのフリシンゲン。少し施工場所からは離れていますが、64基分の資材を仮置きする広大なヤード、取り扱う部材の重量など諸条件を考慮して選定されたものと思います。
Fagioli S.p.A.がFacebookに掲載した情報によると、フリシンゲンの中間貯蔵場所へ仮置きした部材を2024年に設置作業のため現場へ向かう船に戻す作業をおこなうと書かれているので、カルバドス洋上風力発電所でモノパイル設置が開始されるのは2024年になりそうです。
トランジションピース
動画内で ”UP 600TON” という説明があるので、トランジションピースの重量は最大600トン。吊り上げをおこなっているクレーンは LIEBHERR のクローラークレーン「LR11350」。最大吊り上げ重量1,350トン、今回の現場での仕様は不明ですが、ブームの組み合わせによって最大揚程は220mにもなるそうです。
モノパイル
最大重量1,000トンのモノパイル揚重では、先程のクローラークレーン「LR11350」と最大1,250トン吊りのクローラークレーン「CC 6800」による相吊りで作業。玉掛け解除する場面で使用しているスリングに ”WLL 350 TON” と書かれているのが見えます。運搬は、先程と同様にSPMTでおこなわれ、仮置き場所に設けられた土のマウンドへ仮置き。マウンドの横まで進入した後は、真横に移動してました。
「CC 6800」の機体には ”TEREX” と書かれていますが、ドイツに本拠地を置くDemagを2002年にTEREXが買収したことによるもので、その後、2019年に日本のタダノがDemagのクレーン事業を買収しています。「CC 6800」のタダノでの現行機種名称は「CC 68.1250-1」。
Youtubeの掲載動画
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