台湾の雲林洋上風力で80基の風力タービン設置完了
2024年10月17日、Skyborn Renewablesは台湾の雲林洋上風力発電所(Yunlin offshore wind farm)で80基すべての風力タービン設置が完了したことを発表しました。雲林洋上風力発電所では、2024年7月に80基のモノパイル設置が完了しており、まだアレイ間ケーブルの設置が数カ所の残っているものの、2024年末までに雲林洋上風力発電所を完全に稼働させる予定であると述べています。
項目 | 設計数量 | 設置済 2024年7月発表 | 設置済 2024年7月発表 | 残数量 | 進捗率 |
---|---|---|---|---|---|
モノパイル | 80基 | 80基 | 80基 | 完了 | 100% |
トランジションピース | 80基 | 72基 | 80基 | 完了 | 100% |
風力タービン | 80基 | 55基 | 80基 | 完了 | 100% |
アレイ間ケーブル | 69本 | 42本 | 66本 | 3本 | 96% |
エクスポートケーブル | 12本 | 12本 | 12本 | 完了 | 100% |
80基目の風力タービン部材を積んだCadelerの800トン吊りSEP起重機船「Seajacks Zaratan」(Wind Zaratan)を背景に撮影された記念写真には作業に携わる多くの関係者が映っています。
雲林洋上風力発電所は、2019年5月に着工。当初、2020年9月に完成予定でしたが、これまでにモノパイル輸送と設置を請け負ったSapura Offshoreの工事撤退や新型コロナウィルス、施工上の問題などにより大幅な工期遅延が発生。さらに、プロジェクト初期段階で設置した数本のモノパイルを切断・撤去する事態も起きており、これまでの工程は問題の連続でした。それ故に、風力タービン全機設置完了という大きな節目は関係者にとって感慨深いものだったことでしょう。
日本の「BLUE WIND」もモノパイル設置で協力
2023年9月にFred. Olsen Windcarrier (FOWIC)は、雲林洋上風力発電所(Yunlin Offshore Wind Farm)のモノパイル輸送と設置について、清水建設と契約を締結したと発表。
モノパイル設置の施工をおこなう清水建設の2,500トン吊りSEP起重機船「BLUE WIND」は、2024年2月23日に兵庫県相生を出港し、3月はじめに台湾の台中港へ到着。NPCCが所有する3,810トン吊りクレーン船「DLS 4200」とともに、2024年のモノパイル施工に従事しました。
SEP起重機船「BLUE WIND」のAIS情報を確認すると、台湾時間の10月18日20時に台中港を出港して日本へ向けて回航している最中でした。仕向港は和歌山になっており、到着予定は10月24日14時。
【動画】重量物運搬船「Fairplayer」によるモノパイル撤去作業
Jumbo Offshoreの重量物運搬船「Fairplayer」が2024年に実施したモノパイル切断撤去の動画が公開されていました。
動画内の施工イメージによると、モノパイルの切断は内側ではなく外側からおこなったようです。そして、海底面から-3mの高さまで、1回の切断で撤去するのではなく複数回の切断を実施。最終の目標天端が海底面より下なので施工可能な高さまで海底面を掘削したんだと思います。なるほど。
Jumbo Offshoreのプレスリリースに書かれているモノパイルの撤去理由は、パイルランの影響となっていますが、具体的にどのような不具合が起きていたのかは不明。
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