富山県入善町の沖合で建設予定の洋上風力発電所で使用するモノパイル3本を含む風力タービンの基礎部材が中国で完成し日本へ向けて出荷されました。入善町沖洋上風力のEPCIを担当するのは清水建設で、昨年10月に完成したSEP起重機船「BLUE WIND」による初施工の現場となる。
富山県入善町沖で使用するモノパイルが完成し中国から出荷
扬帆起航,驶向深蓝—润邦海洋完美发运日本客户首批海上风电项目
(真っ青な海に向かって出航し、Rinbang Ocean は洋上風力発電プロジェクトの最初のバッチを日本の顧客に完全に出荷しました)
http://roc.rainbowco.com.cn/article/4161.html
富山県入善町の横山地区沖で計画が進められている洋上風力発電所で使用するモノパイル3本や補助コンポーネントなど風力タービンの基礎部材が完成し、運搬船「DONGBANG GIANT NO 3」に積み込まれ、日本への出荷が行われました。
モノパイルなどの基礎部材製造を行ったのは中国の南通润邦海洋工程装备有限公司(ROC,Nantong Rainbow Offshore & Engineering Equipments Co., Ltd.)。2022年9月に润邦海洋は日本の企業と洋上風力発電プロジェクトの契約を結んだことを発表していましたが、日本側の企業名や洋上風力発電プロジェクトの名称については伏せられていました。
SEP船「BLUE WIND」による初施工
入善町沖洋上風力のEPCIを担当するのは清水建設で、昨年10月に完成したSEP起重機船「BLUE WIND」による初施工の現場となる。
広島県江田島付近で習熟訓練中
SEP起重機船「BLUE WIND」は、2022年10月の完成後、場所を広島の江田島付近に移動して習熟訓練を行っています。作業の予定は2023年春以降となっているので、間もなく富山県下新川郡入善町の現場へ向け回航し、3MW風車3基の基礎と風力タービン設置を行う予定。その後、北海道の石狩湾新港で建設されている石狩湾新港洋上風力発電施設の作業に従事する。
モノパイルなどを運搬する「DONGBANG GIANT NO 3」
船名 | DONGBANG GIANT NO 3 |
総トン数 | 12,183トン |
載貨重量トン | 14,006トン |
長さ | 155m |
幅 | 38m |
船籍 | 韓国 |
建造年 | 2010年 |
中国で完成したモノパイルなどの部材を運ぶのは、韓国の海上輸送サービスを提供しているDONGBANG TRANSPORT LOGISTICSが運航する重量物運搬船「DONGBANG GIANT NO 3」。
全長155m、幅38mという船体寸法なので巨大なモノパイル3本を含む基礎部材を積んでも余裕があるほど、十分な甲板スペースがある。
「DONGBANG GIANT NO 3」のAIS情報
重量物運搬船「DONGBANG GIANT NO 3」のAIS情報を確認したところ、2023年3月10日に中国の啓東市を出港し、目的地は韓国の麗水市(Yeosu)になっていました。現在積んでいる積荷は入善向けの風車基礎部材だけのように見えるので、何かを合積みするのかもしれませんが、燃料や食料の調達若しくは乗船している船員の入れ替えを行うために寄港する可能性が高そう。どちらにしても近日中には日本へ向かってくると思われるので、いよいよ始まるSEP起重機船「BLUE WIND」の初施工が楽しみです。
風力タービンも中国製
⼊善洋上⾵⼒発電所で使用する風力タービンは、中国のタービンメーカー明陽智能(MingYang Smart Energy)が製造するMySE3.0-135。モノパイルなどの基礎部材と風力タービンという風力発電所の主要部材は中国製。
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