ペルー沖で「EVER LUNAR」のコンテナ約50個が海上へ流出


2025年8月1日、ペルーの首都リマ西部に位置するカヤオ港沖でコンテナ船「EVER LUNAR」の積荷であるコンテナ約50個が海に落下する事故が発生。
EVERGREEN MARINE(長榮海運)の発表によると、コンテナ船「EVER LUNAR」は8月1日午前9時40分(現地時間)に入港待機中でカヤオ港沖に停泊していたそうです。船体が大きく傾いたことでコンテナが落下したということですが、その原因については、ロシアで発生した地震による津波、南米の冬の海況悪化、突発的な波の影響など複数の要因が考えられると述べています。
カヤオ港湾局はコンテナ落下の事故を受け、濃霧のためコンテナの視認性が制限されていたため、予防措置として港を一時閉鎖。同日午後に港の業務再開を発表。
海に落下したコンテナ内に危険物貨物は積載されていないと報じられており、コンテナ船「EVER LUNAR」の乗組員に負傷者はでていない。
ロシアで発生した地震による津波の影響?

EVERGREEN MARINE(長榮海運)のコンテナ落下事故に関する声明には複数の要因が事故原因として挙げられていますが、その中にロシアで発生した地震による津波の可能性が挙げられています。
仮に、地震による津波の影響だったとして、津波の到達時間や速度を考えてみました。
ロシアのカムチャツカ半島でマグニチュード8.7の地震が発生したのは7月30日午前8時25分(日本時間)。EVERGREEN MARINEの声明に記載されている8月1日午前9時40分(ペルー現地時間)は日本時間だと7月31日午後7時40分。地震発生からカヤオ港沖で事故が起きるまでの時間は、35時間15分。
地震発生位置からカヤオ港までの距離は約13,000km。津波の平均速度は369km/h。
気象庁のホームページに掲載されている ”津波発生と伝播のしくみ” によると、津波の速度は水深が深いほど速く伝わる性質があり、水深5,000mで800km/h、水深500mで250km/h、水深100mで110km/h、水深10mで36km/h。
地震発生位置からの距離とコンテナ落下事故が起きた日時を考えると、津波による影響でコンテナ船が大きく傾いた可能性は十分考えられる。
日本から遠く離れた場所で地震が発生し、その津波が日本付近にいる船舶へ影響を及ぼすという逆のパターンもありうるので想像すると恐ろしい現象。

出典:気象庁ホームページ (https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/tsunami/generation.html)
コンテナ船「EVER LUNAR」

出典:MarineTraffic | Moreight
船名 | EVER LUNAR |
総トン数 | 101,063トン |
載貨重量トン数 | 103,891トン |
コンテナ積載容量 | 9,532TEU |
長さ | 334.8m |
幅 | 45.8m |
深さ | 20.97m |
船籍 | Taiwan, Republic of China |
建造年 | 2015年1月 |
建造場所 | 台湾、CSBC |
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