2018年に建造された比較的新しい「港航平9」(GANG HANG PING 9)という船名の1,200トン吊りSEP起重機船でアップグレードが完了。改造内容は主にメインクレーンの揚程増加。これはさすがにちょっとやり過ぎじゃないですか?
SEP起重機船「港航平9」アップグレード
2022年10月14日、中国で1,200トン吊りSEP起重機船「港航平9」(GANG HANG PING 9)のアップグレードが完了。アップグレードの内容はメインクレーンの揚程増加。改造前のメインクレーン揚程は110mでしたが、132mに増加。
揚程増加の目的は洋上風車の設置
揚程増加のアップグレードを行った目的は洋上風車の設置。132mの揚程になったことで最大12MW級の洋上風車設置が可能になるそうです。
搭載されているクレーンはそのままで、クレーンを搭載している台座の嵩上げを行って揚程を増加させるという安易な方法。単純に 132m – 110m = 22m なので22m分台座を嵩上げしたことになる。重量物を吊り上げた状態で旋回すると大惨事になりそうな気がするんですが。
SEP起重機船「港航平9」のレグ長さは73mで画像を見る限り改造された形跡はありません。元々のスペックとして最大作業水深は40m。ブーム長さは103mでこちらもそのまま。
洋上風車の大型化に伴って設置するクレーン船の揚程を確保するためにクレーンを高い位置に設置するという方法は以前から中国のクレーン船に見られていました。ただ、SEP船でこの方法は初めてだと思います。
クレーンを高い位置に設置したクレーン船
紹介するのは日本のFD(Floating Dock)、フローティングドックのような船体にクレーンを搭載したクレーン船。この船は以前の記事でも紹介しましたが、作業時の荷振れ低減のため船体を海底面に着床した状態で作業します。最大で水深24mまで半潜水して着床可能で、その状態でも揚程140m。
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