コンテナ積載能力24,136TEU「ONE INNOVATION」竣工
2023年6月2日、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)呉事業所において24,000TEU型コンテナ船「ONE INNOVATION」が竣工し、引き渡しが行われました。コンテナ船「ONE INNOVATION」は、今治造船とJMUのコンソーシアムで建造する6隻の24,000TEU超型コンテナ船シリーズの1番船。
全長399.95m、幅61.4mの巨大な船体に積載できるコンテナの数は20フィートコンテナ換算で24,136個。
船名 | ONE INNOVATION |
総トン数 | 235,311トン |
コンテナ積載量 | 24,136TEU |
長さ | 399.95m |
幅 | 61.40m |
深さ | 33.20m |
「ONE INNOVATION」には、ベイと呼ばれる区分けされたスロットが船首から船尾までの間に25あり、1つのベイで24列のコンテナを並べて積載でき、積み上げる段数はホールド内が12段積み、デッキ上は最大13段積み。そして、冷凍・冷蔵貨物の輸送に使用されるリーファーコンテナのプラグは2,000基以上用意されており、柔軟なオペレーションが可能になるとしている。
魅惑的な船体カラー以外の特徴
外観で最も特徴的なのはONE(Ocean Network Express)のコーポレートカラーであるマゼンタ色に彩られた船体であることは間違いありませんが、他にも特徴があります。そのひとつは、船首部分に設置されているカバーのようなもの。ONEのプレスリリースでは、空気抵抗を減らすためのウィンドシールド(風防)として紹介されており、JMUの方ではBow Wind Coverという名称で紹介されています。効果としては燃費性能向上に加えて、Wind Cover内側の係留デッキ上へのコンテナ積載を可能にし、積載性の向上も図っているそうです。
アジア・欧州航路で運航予定
今後「ONE INNOVATION」はアジア・欧州航路で運航される予定とのこと。寄港地は、寧波 – 厦門 – 高雄 – 塩田 – シンガポール – ロッテルダム – ハンブルク – アントワープ – サザンプトン– アルへシラス– シンガポール – 塩田 – 香港 – 高雄 – 寧波。残念ながら一度日本を離れると帰ってくることは無さそうです。
運航する航路は、スエズ運河を通るルートになっていますが、パナマ運河と違って閘門こうもんが無いので船の長さによる制限は無い。ただし、道中には運河を横断するスエズ運河橋が架かっており桁下高さは70m。その為、通航する船の水面上最大高さは68mに制限されている。「ONE INNOVATION」のエアドラフト(船の水面上高さ)が73.5mという記事があったので、空船で最小喫水に近い場合は橋に衝突する可能性があると思いますが、そんな軽荷でスエズ運河を通過すること自体が無いでしょうね。
名称 | パナマ運河 | スエズ運河 |
船の長さ | 366m | 制限無し |
高さ制限 | 57.91m | 68m |
喫水 | 18m | 20.1m – 12.2m |
幅 | 51m | 50m – 77.5m |
世界最大クラスのコンテナ船
船名 | ONE INNOVATION | Ever Alot | MSC Tessa | OOCL Spain | MSC IRINA |
長さ | 399.95m | 399.9m | 399.99m | 399.99m | 399.99m |
幅 | 61.4m | 61.5m | 61.5m | 61.3m | 61.3m |
最大積載能力 | 24,136TEU | 24,004TEU | 24,116TEU | 24,118TEU | 24,346TEU |
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