運搬船は9月20日にイギリスを出港、到着まで49日間
2023年11月8日、大分空港と大分市内を結ぶ海上交通アクセスとして2023年度中の運航開始を予定している3隻のホーバークラフトのうち2番船「Banri」を積んだ運搬船「GRIETJE」が日本の大分に到着。イギリスを出港したのは9月20日だったので、運搬にかかった日数は49日間。
これから1番船の「Baien」と同じように、テスト運航・船舶検査がおこなわれた後に納入という流れになると思われる。前回は到着から納入までに15日間を要しており、納入日は11月末くらいになる可能性があります。1番船「Baien」の同型船なので、到着から納入までの日数が少しでも短縮されればいいなと期待していますが、テスト運航も船舶検査もしっかり実施されると思うので、どうなるかは分かりません。
11月4日には大分空港と大分市のホーバークラフト発着場でそれぞれ安全祈願祭が開かれ、11月8日から操縦士の訓練が始められる予定になっています。建造中の部品破損による納入遅延によって運航する操縦士の訓練時間を確保することが難しくなっているようなので、2023年度中の運航開始に向けて1日でも早く納入されることが望まれる。
船名 | イギリス 出港日 | 日本 到着日 | 運搬日数 (英→日) | 到着から納入 までの日数 | 納入日 | 当初の 納入予定日 | 遅延日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Baien | 7月15日 | 8月24日 | 40日 | 15日 | 9月8日 | 2023年7月20日 | 50日 |
Banri | 9月20日 | 11月8日 | 49日 | ※15日 | ※11月23日 | 2023年10月12日 | ※42日 |
Tanso | ― | ― | ― | ― | ― | 2024年1月18日 | ― |
※1番船「Baien」実績日数からの予測
重量物運搬船「GRIETJE」
船名 | GRIETJE |
総トン数 | 8,397トン |
載貨重量トン | 9,360トン |
搭載クレーン | 320トン×2 200トン×1 |
長さ | 151.67m |
幅 | 21.02m |
深さ | 10.5m |
エアドラフト | 34.1m |
速力 | 18ノット |
建造年 | 2000年2月 |
運搬船「GRIETJE」の航行経路
こうしてイギリス出港から日本到着までの航行経路を図にしてみると2番船「Banri」を運んだ運搬船「GRIETJE」が多くの地点を経由していることが分かります。
もう少し経由地が少なければ日本にもっと早く到着していた可能性は十分ありますが、運んでいる運搬船「GRIETJE」には何の罪もない。貨物を目的地に届けるという使命を果たしており、全てはそれを承知して貨物の輸送を依頼している依頼主の判断によるもの。海上輸送時に天候で遅れるのは致し方ないと思いますが、今回の件は少し腑に落ちない点があるような気がします。
実情をすべて把握している訳では無いので断定はできませんが、製造者の落ち度で納期の遅延が発生したにも関わらず、1隻目よりも今回の運搬日数は多くなっており、さらに納期を遅らせることに繋がっています。1隻目の「Baien」納入遅延に関して、大分県は製造したイギリスの Griffon Hoverwork に50日分の遅延賠償金として1,291万円あまりを請求し、Griffon Hoverwork 側はすでに賠償金を支払っているという報道がありましたが、2隻目の「Banri」についても同様に請求がおこなわれるでしょう。ですが、遅延金払えばいいんでしょ?という相手方の思惑が見え隠れしているような気が。そういう契約が結ばれているんでしょうけど。想像するに、遅延賠償金と輸送費を比べて前者を払った方が早く日本に到着する運搬船を手配するよりも安くつくということなんでしょう。少し残念な気がしました。
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