ロシアで建造中の砕氷船で火災発生、1人死亡3人重傷
2024年4月8日早朝、ロシアのウラジオストクにあるダルザヴォド造船所で建造中の砕氷船「Katerina Velikaya」から火災が発生。火災により1人が死亡、3人が重傷を負ったという。事故原因については特定されておらず、現在調査中。
砕氷船「Katerina Velikaya」は、ソビエト連邦時代に設立したロシア最大の国営石油会社ロスネフチがズヴェズダ造船所に発注した4隻の砕氷船のうちの1隻。2015年に建造契約がおこなわれ、2017年に建造を開始。当初予定では2019年に完成・引き渡しされるはずでしたが、進水したのは2020年12月。
進水後は艤装、係留試験、海上試験のために場所をウラジオストクに移していましたが、引き渡しがおこなわれたという情報は無い。
ズヴェズダ造船所
ズヴェズダ造船所があるのは、ロシアのウラジオストクからウスリー湾を挟んで東へ直線距離で約40kmのボリショイ・カーメニ。第二次世界大戦後の1947年、ソ連海軍の補助基地がボリショイ・カーメニに置かれ周囲に住宅が建設されたことが街の歴史の始まり。ロシア海軍太平洋艦隊の重要な施設があるという軍事上の理由から閉鎖都市となっている。
ズヴェズタ造船所は、沿海地方にある原子力潜水艦の建造や修理、解体を行うことが出来る数少ない造船所のひとつ。アムール造船所も原子力潜水艦の建造能力があるが、内陸にあるアムール造船所に対してズヴェズタ造船所は沿岸部に位置することから、太平洋艦隊に所属する大半の原潜の修理や点検はズヴェズタ造船所でおこなわれている。
進水時に使用されている4万トンのフローティングドック
砕氷船「Katerina Velikaya」の進水時に使用しているのは恐らく、2018年に中国の青島北海船舶重工公司で建造された全長300m、最大積載重量4万トンのフローティングドック。
Googleマップの航空写真でズヴェズタ造船所を見ると確認することが出来る。ついでに中国で建造された3,500トン吊りのジブ固定式起重機船らしき船体もいました。
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