「Inch Cape」で世界最大のクレーン船による洋上変電所設置

「Inch Cape」で世界最大のクレーン船による洋上変電所設置 洋上風力発電
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「Inch Cape」で世界最大のクレーン船による洋上変電所設置

2025年8月4日、スコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」で洋上変電所の設置完了が発表されました。重量はジャケット 3,476トン、トップサイド 2,927トン。

設置作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsが所有する世界最大のクレーン船「Sleipnir」。

クレーン船「Sleipnir」は、タンデムリフトにより最大20,000トンという世界最大の吊り上げ能力を持つ10,000トン吊りのクレーン2基を搭載しているため、重量的にクレーン1基のみで設置できる能力がありますが、トップサイド設置時は吊りピースの位置が離れているため2基のクレーンを使用していました。

洋上変電所のジャケットとトップサイドは、イングランド北東部のウォールセンド(Wallsend)にあるSmuldersのヤードで建造。建造期間は18ヶ月。土台となる基礎ジャケットは高さ68m。

世界最大のクレーン船「Sleipnir」

20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」
出典:Heerema Marine Contractors

「Sleipnir」は、オランダのHeerema Marine Contractorsが所有する世界最大の吊り上げ能力を持つクレーン船。10,000トン吊りのクレーン2基を搭載しており、タンデムリフトにより最大20,000トンの吊り上げ能力を発揮する。

2019年にシンガポールのSembcorp Marine(現 Seatrium)で建造され、船体寸法は長さ220m、幅102m。

クレーン船による世界最大の吊り上げ記録を持っており、2022年10月4日にデンマーク沖合の北海にあるタイラ油田のトップサイド設置で17,000トンを記録。

船名Vessel name Sleipnir
吊上げ能力Lifting capacity 10,000トン吊×2基
タンデム 20,000トン吊
長さlength 220m
width102m
喫水Draft Range 12m~32m
建造年Year of construction 2019年
所有会社Owner companyHeerema Marine Contractors

「Inch Cape Offshore Wind Farm」の概要

「Inch Cape Offshore Wind Farm」の計画位置図
出典:Inch Cape Offshore Limited
「Inch Cape Offshore Wind Farm」の概要
  • 設置位置:スコットランド アンガス海岸沖15kmの北海、水深34~64m
  • 発電容量:1.1GW
  • 風力タービン:Vestas V236-15.0 MW、72基
  • 風車基礎:着床式、モノパイルおよびジャケット
  • 商業運転開始:2027年(2026年末から順次運転開始)

「Inch Cape Offshore Wind Farm」は、スコットランドのアンガス海岸から15km沖合の北海にVestas製の15MW風力タービン72基と洋上変電所1基を設置する計画。総発電容量は1.1GW。

事業者は、エディンバラを拠点として再生可能エネルギープロジェクトをおこなうRed Rock Power とアイルランドの大手エネルギー企業 ESB の合弁会社 Inch Cape Offshore Limited。

【動画】ジャケット及びトップサイド建造の様子

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