デンマークで開発が進められているFlexible Offshore Drone for Wind(FOD4Wind)と呼ばれるプロジェクト。洋上風力発電所のO&M(Operation and Maintenance)、運用および保守点検でSOV船を母船とする完全自律型ドローンを利用したシステムを開発するという。洋上風車の停止期間、CO2排出量、メンテナンスコストなど様々な面で削減効果が期待される。
洋上風力O&Mに完全自律型ドローンを利用したシステム開発
デンマークで取り組まれているFlexible Offshore Drone for Wind(FOD4Wind)と呼ばれるプロジェクト。充電ステーションを備えたSOV船から動作する完全自律型ドローンを使用して洋上風力発電所のメンテナンス作業を効率化する。ドローンに搭載したカメラによる点検や交換部品の運搬にドローンを使用することで洋上風車の停止期間を短縮し、CO2排出量やメンテナンスコストなどを削減する効果が期待される。
FOD4Windのプロジェクトチームによる試算では、2030年にドローンを備えた70の充電ステーションが運用された場合、以下のような効果があるとしている。
- 風力タービン停止期間を12,250時間短縮
- CO2を年間13,000トン削減
- エネルギー生産は年間39,200MWh増加
- サービスコストを年間4億2,400万DKK削減(日本円で約81億円)
- 従業員180名増員
数字で見ると、とんでもなく効果が大きいことが分かります。あくまでも試算なのでその通りに効果がでるかは分かりませんが、確かに洋上風力発電設備の規模が大きくなるのと比例して設置海域の面積は大きくなります。
整備や部品交換などでメンテナンス技術者が行かなければならない場合を除いて、目視による点検などではドローンを使用るすることで格段に効率が上がる。
部品交換をおこなう場合でも、必要な部材をドローンで運搬可能になれば作業効率は上がる。
FOD4Windプロジェクトでは、ドローンを使用して運搬する重量を12㎏からスタート。最終的な目標は100㎏の部材をドローンで運搬することとしている。
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