WFO(World Forum Offshore Wind)「世界洋上風力フォーラム」が「Global Offshore Wind Report for 2022」という2022年末時点の集計データを発表。データを見ると、やはり中国の成長はまだ衰えることなく継続しており、世界の洋上風力を牽引しているようです。
WFOが2022年レポートを発行 世界全体で9.4GW設置
2023年2月20日、WFO(World Forum Offshore Wind)「世界洋上風力フォーラム」が「Global Offshore Wind Report for 2022」を発行。
WFO publishes its Global Offshore Wind Report for 2022 – Global offshore wind growth again largely driven by China
(WFO が 2022 年のグローバル オフショア ウィンド レポートを発行 – 世界のオフショア ウィンドの成長は再び主に中国に牽引される)
https://wfo-global.org/wp-content/uploads/2023/02/WFO-Press-release-20022023_FINAL.pdf
レポート(本文)リンク先:Global Offshore Wind Report 2022
2022年末時点で世界の洋上風力発電設備容量は57.6GW
WFOのレポートによると、2022年末時点で稼働している世界の洋上風力発電設備容量は57.6GW。2021年末時点では48.2GWだったので、約20%増加したことになる。
2022年時点の全世界の洋上風力発電設備設置容量57.6GWに対して中国のみの設置容量は25.6GW。全世界の設置容量に対して44.4%。2021年末時点では40.9%だったので全世界の合計よりも中国1国の方が成長していることを物語っています。
2022年に新規で設置された9.4GWの内訳を見ると中国の成長ぶりがよく分かります。
新規設置容量では中国が世界の7割以上を占める
WFOのレポートによると、2022年に中国で設置された洋上風力発電設備容量は6.8GW。世界全体での設置容量が9.4GWなので7割以上が中国国内で設置されたことになります。
驚きのデータですが、昨年2021年のデータはさらに驚愕するものでした。
2021年に世界で設置された洋上風力発電容量は、15.7GW。それに対して中国の設置容量は12.7GW。実に8割以上を占めていました。
日本とフランスで最初の大規模洋上風力発電所を設置
2022年は日本の洋上風力において大きな一歩を踏み出した年。日本の洋上風力発電所で商用規模としては初めてとなる秋田港・能代港洋上風力発電所が設置されました。秋田港洋上風力発電所の運転開始は2022年末に間に合いませんでしたが、WFOのレポートでは能代港と同じく2022年に稼働する洋上風力発電所として集計されています。
日本と同様に商用規模で初の洋上風力発電所設置を行ったのはフランス。サン・ナゼール(Saint-Nazaire)洋上風力発電所、設置容量は480MW。
建設中の洋上風力発電設備容量
2022年末時点、世界で建設中の洋上風力発電設備容量は12.7GW。
ここでもトップは中国で3.688GW。続いてイギリス(2.79GW)、台湾(2.505GW)、オランダ(2.259GW)、フランス(0.993GW)、ドイツ(0.257GW)。そして日本は7位で0.129GW。
2022年末時点、日本で建設中のプロジェクトは2件。大規模な商用の浮体式洋上風力としては国内初となる「五島市沖洋上風力発電事業」(16.8MW)と「石狩湾新港洋上風力発電施設」(112MW)。
2022年末時点 国別の洋上風力発電設備設置容量
順位 | 前年 順位 | 国名 | 累計設置容量 (GW) | 前年比 (GW) |
---|---|---|---|---|
#1 | ― | 中国 | 25.563 | +6.82 |
#2 | ― | イギリス | 13.601 | +1.32 |
#3 | ― | ドイツ | 8.403 | +0.70 |
#4 | ― | オランダ | 3.010 | 0 |
#5 | ― | デンマーク | 2.343 | 0 |
順位 | 前年 順位 | 国名 | 累計設置容量 (GW) | 前年比 (GW) |
---|---|---|---|---|
#6 | ― | ベルギー | 2.263 | 0 |
#7 | ↑#18 | フランス | 0.482 | +0.48 |
#8 | ↑#10 | ベトナム | 0.396 | +0.30 |
#9 | ↓#6 | 台湾 | 0.237 | 0 |
#10 | ↑#11 | 日本 | 0.225 | +0.14 |
余談ですが、「Global Offshore Wind Report for 2022」のトップ画像はDEMEの「ORION」でした。2021年のレポートは同じくDEMEの「INNOVATION」。2022年上半期のレポートは「ORION」だったので、そこから言うと2連続「ORION」。2023年上半期 or 2023年レポートには「BLUE WIND」か「CP-16001」が採用されればいいなと期待しています。
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