英国「Scroby Sands」で火災により損傷した風力タービン撤去

英国「Scroby Sands」で火災により損傷した風力タービン撤去 事件・事故
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英国「Scroby Sands」で火災により損傷した風力タービン撤去

2023年8月に火災で損傷した「Scroby Sands offshore wind farm」の風力タービンを撤去する作業が進められています。

「Scroby Sands offshore wind farm」は、イギリス東部にあるノーフォーク州グレート・ヤーマスの海岸から沖合2.5kmに位置し、2004年3月に運転を開始。出力2MWの「V80-2.0 MW」30基が設置されており、総発電容量は60MW。

2年以上前の2023年8月15日の朝、風力タービンのナセルから出火して燃え広がった火によってハブと風下側のブレード1枚がひどく損傷。火災はその日のうちに自然鎮火。

RWEの水路通報(Notices To Mariners)によると、損傷した風力タービン部品の撤去作業は2025年8月に開スタートし、9月30日に終了予定。

損傷した風力タービン部品の撤去作業をおこなっているのは、ジャッキアップバージ「WaveWalker 1」。

堆積土により風力タービンへのアクセスが困難

Scroby Sands offshore wind farm
出典:RWE

「Scroby Sands offshore wind farm」では、長い年月が経過するなかで風力タービン設置エリアに砂が堆積し、水深が浅くなるという現象が発生。いくつかの風力タービンは船舶でのアクセスが困難になっていた。

風力タービンへアクセス困難という状況から必要なメンテナンス作業にも支障となるため、水陸両用乗組員輸送船「CRC Walrus」を建造。火災発生のおよそ半年前にあたる2023年2月に所有者のCommercial Rib Charterへ引き渡しがおこなわれています。

火災により損傷した風力タービンの足元は堆積土で水深が減少しており、通常の作業船では近づくことも出来ない状態。撤去作業をおこなうジャッキアップバージ「WaveWalker 1」は、搭載している8本のレグを4本1セットでスライドさせながら移動するという ”歩行” が可能。歩行のストロークは1回のスライドで最大4m。この歩行機能を使用することで海だけではなく陸上でも移動が出来るため、堆積土に囲まれた風力タービンへ接近して撤去作業をおこなうことができる。

ジャッキアップバージ「WaveWalker 1」

船名WaveWalker 1
クレーン能力92.9トン
長さ32m
32m
深さ4.5m
レグ長さ40m
歩行ストローク4m
建造年2012年
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