貨物船衝突により破損したライン川の閘門、解体作業開始

貨物船衝突により破損したライン川の閘門、解体作業開始 事件・事故
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貨物船衝突により破損したライン川の閘門、解体作業開始

2024年1月29日、ドイツのライン川にあるイフェッツハイム水門で2023年11月に起きた衝突事故によって使用できない状態になっている閘門を解体する作業が開始されました。

解体作業開始を明らかにしたドイツの連邦水利・水運管理局(Wasserstraßen- und Schifffahrtsverwaltung des Bundes)によると、破損したゲートは衝突により強い力で隙間にはめ込まれた状態になっており、解体作業は簡単なものではないという。全体重量80トンというゲートを支える鉄骨梁や支柱などを設置し、安全対策を施したあとに小さく切断をおこない撤去していく予定。解体作業が完了した後で最終検査が実施され、衝突事故が構造物にどのような影響を与えたかを最終的に判断するという。損傷したゲートの解体作業は復旧に向けた最初のステップであると述べられており、復旧が完了して再び稼働できるようになるのは早くても2024年末以降になるとみられている。

損傷したゲートを解体・撤去して交換する作業は確定しているようですが、ゲートに接する設備の損傷程度は撤去しないと分からない部分があるようです。大きな損傷が見つからなければいいんですが。

ドイツの海事警察によると被害額は約150万ユーロ、日本円に換算すると約2億4千万円と推定されているそうです。

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衝突事故について

2023年11月11日にイフェッツハイム水門で衝突事故を起こした内陸貨物船「LA PRIMAVERA」は南部のバーゼルからカールスルーエ方面へライン川を北へ、上流から下流に向かって航行していました。衝突したのは2つある閘室のうち右の手前側。ドイツの記事でも”右”と記載されていたので、日本の河川で言う左岸・右岸と同じように上流から下流を見て左・右となっているようです。

貨物船「LA PRIMAVERA」が衝突した時、閘室の中には別の船が1隻いましたが両船とも事故による負傷者はいなかった。船首部分で閘門を突き破り、座礁した貨物船「LA PRIMAVERA」の船体も奇跡的にほとんど損傷はなく、事故後に自力でオランダまで航行することが出来たという。

船名LA PRIMAVERA
長さ110m
12m
建造年2001年
船籍オランダ
内陸貨物船「LA PRIMAVERA」
出典:FleetMon | pm_inpyn
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事故原因についての報道

ドイツの報道記事は海事警察による発表として、事故当時に船を操船していた女性が飲酒状態だったという情報を掲載しています。女性は船長ではなく、副操縦士として操船していたという。しかし、捜査当局は女性の血中アルコール濃度や酒酔いの程度、および年齢などは明らかにしていない。

減速することなく閘門に突っ込むという異常な事故に関係者も考えられないといったコメントを述べていました。操舵機器などの不具合が事故原因ではないとなると、操船者側の操作ミスである可能性が高そう。操船者の性別は無関係ですが、飲酒状態で正常な判断が出来なかったとすれば事故に至ったことも納得できる。

飲酒以外にも2023年10月にアメリカで起きたフェリー衝突事故のように「マイクロスリープ」が原因で意識が飛んでいた可能性も考えられますが、今回の場合は捜査機関が操船者の飲酒を公表しているので原因は飲酒なんだと思います。

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