バングラデシュのフェリーターミナルが想像以上にカオスな件
バングラデシュの印象を挙げると ”人口密度の高い国” という点を思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。どこも人が多く騒然としているというイメージですが、ダッカのフェリーターミナル Sadar Ghat での映像を見ると、想像以上にカオス(混沌)な状況で驚きました。
フェリー同士の船体が接触するほど近接した状態でターミナルを離発着するフェリー。そして、フェリー上部にも多くの乗客が乗船しており、果たして旅客定員が守られているのかという疑問と同時に船が傾いたり沈んでしまわないか不安を感じるレベル。
一瞬で心を掴まれるほど、興味深いバングラデシュのフェリーについていろいろ調べてみました。
バングラデシュの基礎情報
バングラデシュという国の基本的なデータを紹介。
インドとミャンマーに国境を接するバングラデシュは、総面積147,000km2という広さ。外務省の基礎データに掲載されている人口は1億7,119万人(2022年)、人口密度は1,165人/km2。面積は日本の4割に対して、人口は4割増し。人口密度は世界有数の高さになっています。
国名 | バングラデシュ | 日本 |
---|---|---|
面積 | 147,000km2 | 378,000km2 |
人口 | 1億7,119万人 | 1億2,389万人 |
人口密度 | 1,165人/km2 | 328人/km2 |
バングラデシュはベンガル人が大部分を占めており、公用語はベンガル語。国名のバングラデシュは、ベンガル語で「ベンガル人の国」を意味している。宗教はイスラム教徒が91%、その他のヒンズー教徒、仏教徒、キリスト教徒が9%。
出典:Wikipedia | See File history below for details. – dcaa.com.bdBased on this construction sheet: See also: , パブリック・ドメイン, リンクによる
国旗のデザインは、緑の地に中央から少しズレた位置に赤い円が描かれている。赤い円は昇りゆく太陽、地の緑色は豊かな大地を表しており、赤い色には独立戦争で死んだ者の血という意味も込められている。
旗の原型は、独立の契機となった1971年のバングラデシュ独立戦争時に芸術家カムルル・ハサンによってデザインされたものですが、日本の「日章旗」を参考にしているため日の丸に似たデザインになっているそうです。
1971年にパキスタンから独立して以降、ODA(政府開発援助)で様々な支援をおこなってきたこともあり、バングラデシュには親日的な方が多いという。
首都ダッカにあるフェリーターミナル Sadar Ghat
ダッカ南部のプリゴンガ川に面した位置にあるフェリーターミナル Sadar Ghat はダッカと他の地方都市を結ぶ主要な船の発着場となっている。フェリーの他にも貨物を輸送する内陸バージなども発着地点として利用されており、付近には水上マーケットも存在する。
Googleマップの航空写真でフェリーターミナル Sadar Ghat を見ると多くのフェリーが確認できますが、桟橋に船体を横付けしているフェリーはほとんどいない。大半が船首を桟橋側に向けていますが船尾側は川幅の中央付近にあるため、この状態で川の流れに耐えているのは結構スゴイことかも。
気になるフェリーへの乗船方法は、船体の両舷に張り出している部分から乗り降りしているようです。船首の位置が高い時は木製の歩み板を渡して乗船。
フェリーの係留ライン破断による死亡事故も
2024年4月11日にはフェリーを係留していたロープが切れて船首側の桟橋にいた乗客5人が死亡する事故が起きている。現地の報道によると、ロープが切れた原因は既に係留していたフェリー2隻の間に十分なスペースが無いにも関わらず、別のフェリーがその間に割り込んで入って来たためだと報じています。
船首側の係船ロープだけでフェリーを桟橋に係留しているため、ラインの距離が短い上に船尾側で他のフェリーが接触すると船体が流されやすく、係船ロープに異常な張力がかかってしまったことが原因だと思われる。
他にもたくさんの事故が起きているようですが、2003年7月にはフェリー「MV Nasrin-1」で数百人が犠牲になった沈没事故が発生。この時の主な原因は強風と高波という荒天によるものだったようですが、定員をはるかに超える乗客が乗船していたことも要因のひとつになっているそうです。乗客約750人のうち救助されたのは220人だけ。
どう見ても定員オーバーと思われる人数の乗客を乗せている画像は数多くSNSで確認することができることから、まだまだ安全に対する意識が低いように見受けられます。
フェリーターミナル Sadar Ghat に関するSNS投稿
スゴイ光景😲バングラデシュの首都ダッカにあるフェリーターミナル。危険な雰囲気で安全運航とはかけ離れており、係留ロープ破断による死亡事故も起きている。ただ、そこにいる人たちのエネルギーを強く感じましたpic.twitter.com/fXJVEPSP8E
— クレーン船.com (@crane1000com) June 20, 2024
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