台湾の中能洋上風力でジャケット基礎杭設置完了
デンマークのファンドマネージャーCopenhagen Infrastructure Partners (CIP)と台湾最大の製鉄会社である中国鋼鉄(China Steel Corporation)が共同で開発を進めている台湾の中能洋上風力(Zhong Neng Offshore Wind)で、すべてのジャケット基礎杭設置が完了。運転開始は2024年の予定。
ジャケット及びジャケット基礎杭の輸送・設置を請け負っているのはCSBC-DEME Wind Engineering (CDWE)。そして、ジャケット基礎杭の設置をおこなったのは、DEMEの800トン吊りSEP起重機船「Apollo」。
海上工事は2023年3月24日に開始され、93本のジャケット基礎杭設置は今週に完了したという事なので、設置期間はおよそ6ヵ月。
800トン吊りSEP起重機「Apollo」
船名 | Apollo |
クレーン能力 | 800トン |
長さ | 89.32m |
幅 | 42.0m |
深さ | 8.0m |
レグ長さ | 106.6m |
DPS | DP2 |
建造年 | 2018年 |
出典:DEME
中能洋上風力(Zhong Neng Offshore Wind)の概要
中能洋上風力(Zhong Neng Offshore Wind)では、2023年8月から4,000トン吊りクレーン船「Green Jade」によるジャケット設置作業が開始されています。
北側にある「Changfang & Xidao(彰芳暨西島) offshore wind farms」では、SEP起重機船「BOLD TERN」による9.5MWの風力タービン設置がおこなわれているようです。
4,000トン吊りクレーン船「Green Jade」
船名 | Green Jade (環海翡翠) |
吊上能力 | 4,000トン吊 |
長さ | 216.5m |
幅 | 49.0m |
深さ | 16.8m |
DPS | DP3 |
甲板スペース | 168m×49m |
甲板強度 | 20t/m2 |
宿泊設備 | 160人 |
建造年 | 2023年 6月 |
所有会社 | CDWE |
出典:CSBC-DEME Wind Engineering
台風14号による影響
台湾南部の高雄市付近を通過した台風14号の影響が気になりますが、「Green Jade」は台中港沖、「Apollo」は高雄港へそれぞれ避難しているようです。
台中港の港内には、SEP起重機船「BOLD TERN」、「SEAJACKS ZARATAN」をはじめ台湾海峡で洋上風力関係の作業に従事していると思われる作業船が多数停泊していました。その影響なのか、9月26日に北海道の室蘭港を出港し、台中港に向かっていた清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」は台中港の沖まで航行したものの入港することは出来ず、台風14号から離れるように北へおよそ140kmも移動。
台風による影響で、今後の作業に支障が出るような損傷が出ていない事を願っています。
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