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フランスの「Provence Grand Large」で浮体基礎進水

フランスの「Provence Grand Large」で浮体基礎進水 洋上風力発電
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フランスの「Provence Grand Large」で浮体基礎進水

半潜水式バージ「Boa Barge 36」による浮体基礎の進水
出典:Eiffage Métal

 フランスの浮体式洋上風力試験プロジェクト「Provence Grand Large」で完成した浮体基礎の進水が行われました。巨大な浮体基礎の底面は1辺80mの三角形で高さは45m、重量は約3,000トン。

 進水作業はBOA Offshoreの半潜水式バージ「Boa Barge 36」を使用。👆上の進水している画像を見ると船体を沈めた「Boa Barge 36」のアイランド部分が4箇所水面から出ている状態で、それよりも手前に浮体基礎があり、どうやって積み込まれていたのか疑問に思いましたが他の画像を見て納得。

他工事でジャケットを運搬する「Boa Barge 36」
出典:BOA Offshore

 船首側にあるアイランド2基は備え付けで動かすことができませんが、それ以外のアイランド2基は任意の位置で設置が可能で、撤去した状態でも作業することが出来るという仕様。

 今回の浮体進水では、船体中央部分の位置にアイランドを設置し、そのアイランドから船尾側に浮体基礎を積んで進水作業を行ったみたい。「Boa Barge 36」の船幅は31.5mありますが、浮体基礎の1辺は80mなので両舷ともに約25mオーバーハングしているのを見ると浮体基礎の巨大さがよく分かります。

 浮体式洋上風力試験プロジェクト「Provence Grand Large」で設置する風力タービンは3基となっており、残りの浮体基礎2基についても同様の方法で進水し、その後、港内の岸壁で浮体基礎に風力タービンを搭載する作業が行われる。

 搭載する風力タービンは、Siemens Gamesaの「SG 8.4-167 DD」。フランス北西部のル・アーブル(Le Havre)にあるSiemens Gamesaの工場で製造された風力タービン部材は、浮体基礎の製作・進水をおこなうフォス=シュル=メールの近くにあるポール=サン=ルイ=デュ=ローヌに先月到着し、荷揚げされている。

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半潜水式バージ「Boa Barge 36」

船名Boa Barge 36
載貨重量トン17,300トン
長さ124m
31.5m
深さ7.93m
甲板深度船首:水深8m
船尾:水深12m
甲板面積3,600m2
甲板強度31.5トン/m2
半潜水式バージ「Boa Barge 36」
出典:BOA Offshore

 BOA Offshoreはノルウェーの企業で、多数の半潜水式バージをはじめタグボートや洋上支援船を保有し、おもに重量物の海上輸送などをおこなっている。半潜水式バージ「Boa Barge 36」には、同じ船体形状の同型船が他に3隻おり、今回の浮体進水のように1隻で進水作業をおこなう以外に2隻でより大きな製品を進水することも可能。2021年に行われた直径80m、高さ10m、重量3,000トンの円形養殖ケージ進水では、2隻の半潜水式バージを使用している。

半潜水式バージ「BOA BARGE 33」による2MW浮体式洋上風力「DemoSATH」進水

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浮体式洋上風力試験プロジェクト「Provence Grand Large」

「Provence Grand Large」の概要
  • 設置位置:フランス フォス湾から17kmの地中海、水深約100m
  • 発電容量:25.2MW
  • 風力タービン:Siemens Gamesa SG 8.4-167 DD、8.4MW×3基
  • 風車基礎:浮体式、TLP
  • 風車形状:ローター直径 167m、ブレード長さ 81.4m
  • 完成予定:2023年

 フランス初の浮体式洋上風力試験プロジェクト「Provence Grand Large」。洋上風車を設置する場所はフランス南部の地中海に面したフォス=シュル=メール(Fos-sur-Mer)の沖合17km、水深約100mの海域。「Provence Grand Large」の位置付けは、浮体式洋上風力発電所が経済的に実行可能であることの実証を目的とした試験的プロジェクト(pilot project)。

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