世界初の人工エネルギー島「Princess Elisabeth Island」
世界初の人工エネルギー島としてベルギー沖に建設が計画されている「Princess Elisabeth Island」。
2024年4月23日、オランダのフリッシンゲンにある「Princess Elisabeth Island」のケーソン製作場所をベルギー首相、エネルギー大臣、経済回復・戦略的投資担当の国務長官が視察のため訪問。一連の建設工事を担当しているのは、ベルギーの送電事業者Elia GroupとEPCI契約を締結したDEMEとJan De Nulの合弁会社TM EDISON。
ベルギー沖45kmに建設する「Princess Elisabeth Island」の外周に設置予定のケーソン23函のうち、最初の1函はほぼ完成しており、2024年夏に現地での設置が予定されている。
重量22,000トンのケーソンをスリップフォームで製作
製作しているケーソンの大きさは長さ57m、幅30m、高さ30m、重量は22,000トン。ケーソンは5つのプロセスで製作が進められており、それぞれ20日間の工程で1函の製作に約3ヶ月かかるという。
なかでも注目なのは、ケーソンの壁をコンクリートで立ち上げていく工程。スリップフォーム工法を採用し、連続的にコンクリート打設を実施。1時間当たり10cmという速度で約10日間に渡って打設をおこない、高さ30mのケーソンを製作しているそうです。
コンクリートを打設して構造物を製作する場合、コンクリートが硬化するまで形状を一定に保持するため型枠を組み、その中にコンクリートを充填させるのが一般的で、セットフォームとも呼ばれます。一方、スリップフォームは設置した型枠にコンクリートを流し込むのではなく、移動する型枠内で成型・締固めをおこない、型枠をスライドさせながら連続した同一断面のコンクリート構造物を製作する方法。
巨大ケーソンは半潜水式バージで進水
製作したケーソンは ”ランナー” と呼ばれる輸送設備で製作場所から海側へ移動。そして、設置場所への輸送に向けて半潜水式バージを使用して進水し、港内で一時的に保管するため水中に仮置き。
2024年夏に仮置き場所から再度ケーソンを浮上させて現地へ曳航し、設置が予定されています。
人工エネルギー島「Princess Elisabeth Island」は2026年末に完成予定。その後、島内に電気設備などの設置がおこなわれるという。
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