デンマークの「Thor」向けモノパイルがエームスハーヴェン到着
2024年10月22日、RWEはデンマーク沖で建設が計画されている「Thor offshore wind farm」向けとなる最初のモノパイル8基がオランダのエームスハーヴェンに到着したことを発表しました。
モノパイルの大きさは、最大で長さ100m、重量1,500トン。
モノパイル設置作業は2025年春に開始、続いて風力タービン設置作業は2026年に開始する予定。
最初に納入されたモノパイルは中国の大金重工が製造
出典:RWE
「Thor offshore wind farm」では、モノパイル基礎による着床式風力タービン72基を設置する計画で、Dajin Offshore Heavy Industry(大金重工)とEEW SPCがそれおぞれ36基のモノパイル製造を受注しています。
RWEのプレスリリースでは、大金重工とEEW SPCのどちらで製造したモノパイルなのか書かれていませんが、エームスハーヴェンに到着した半潜水式運搬船「HUA YANG LONG」(华洋龙)のAIS情報を確認すると、スエズ運河を通るルートで中国からオランダへ運ばれており、大金重工で製造したモノパイルのようです。
半潜水式運搬船「HUA YANG LONG」は10月12日にエームスハーヴェンへ到着し、荷役を終えて10月20日に出港していました。
半潜水式運搬船「HUA YANG LONG」(华洋龙)
船名 | HUA YANG LONG (华洋龙) |
総トン数 | 45,349トン |
載貨重量トン | 52,037トン |
長さ | 228.12m |
幅 | 43m |
深さ | 13.5m |
最大甲板深度 | 13.5m |
速力 | 14ノット |
船籍 | 中国 |
建造年 | 2015年12月 |
出典:COSCO Heavy Transport
「Thor offshore wind farm」の概要
ドイツに本社を置く大手エネルギー会社のRWEが事業を進める「Thor offshore wind farm」はデンマークのユトランド半島西部にあるトースミンデ沖 約22kmの北海で建設を計画。Siemens Gamesaの風力タービン「SG 14-236 DD」72基を設置する予定で、RWEが公開しているウェブサイトの情報では単機出力15WMとなっているので、パワーブーストにより出力が引き上げられるものと思われる。
洋上・陸上に各1基の変電所設置を計画。運転開始は2027年の予定で、発電した電力はデンマークの100万世帯以上に供給されるという。
2023年6月にRWEは、Jan De Nulの3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」と5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」という次世代洋上風力設置船2隻の長期傭船契約を発表。そして、「Thor offshore wind farm」においてSEP起重機船「Voltaire」によるモノパイル設置を2025年に開始することが明らかにされています。傭船期間は同プロジェクト開始から5年以上。
よく読まれている記事