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アンモニア生産船を洋上風力発電所と組み合わせて使用する研究

アンモニア生産船を洋上風力発電所と組み合わせて使用する研究 洋上風力発電

 ノルウェーのH2CarrierとStatkraftは、グリーンアンモニア生産船P2XFloater™を特定の洋上風力発電を行う海域で使用するための研究に関する覚書を締結。P2XFloater™は、再生可能電力を利用してグリーン水素とグリーンアンモニアを生産および貯蔵するシステム。

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P2XFloater™

P2XFloaterはグリーンアンモニアとグリーン水素を陸上の貯蔵設備に輸送可能
出典:H2Carrier

 ノルウェーのH2Carrierが開発を進めているグリーンアンモニア生産船P2XFloater™。基本的なコンセプトは社名にもなっていますが、究極のクリーンエネルギーである水素の大量輸送が困難という問題を解決するためにアンモニアを水素キャリアとして使用すること。

 日本でも同様のコンセプトで「グリーンアンモニア製造艦GAPS」と呼ばれる浮体式洋上風車にコンテナ型のアンモニア製造モジュールを搭載し、洋上でアンモニアを製造するプロジェクトで実証機開発に乗り出したところですが、大きく違う点はグリーンエネルギーを発電する設備の無い船上でアンモニアを製造するという点。なのでグリーンエネルギーを供給できる場所へ船を移動させる必要がありますが、逆に洋上風力だけでなく、陸上風力、太陽光、水力などあらゆる再生可能エネルギーを利用することが可能となる。

2022年9月6日の掲載記事

H2Carrier and Statkraft to cooperate on study of green ammonia floating production vessel

(H2CarrierとStatkraft、グリーンアンモニア浮遊式生産船の研究で協力)

H2Carrier and Statkraft to cooperate on study of green ammonia floating production vessel

 グリーンアンモニア生産船P2XFloater™はこれまで、陸から近い沿岸での操業に注力してきた経緯がある。そこで、ノルウェー電力企業大手のStatkraftと共同で洋上風力の再生可能エネルギーを利用するため、グリーンアンモニア生産船P2XFloater™を沖合で運用する研究に着手した。

DNVの基本設計承認(AIP)を取得

 グリーンアンモニア生産船P2XFloater™は、ノルウェーに本部を置く船級協会DNVから基本設計承認(AIP)を取得している。

2022年8月30日の掲載記事

H2Carrier receives Approval in Principle from DNV

(H2CarrierがDNVから基本設計承認を取得)

H2Carrier receives Approval in Principle from DNV
基本設計承認(AIP)とは?

 基本設計承認(AIP、Approval in Principle)とは、設計初期の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮に繋がるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能。

設備の概要

P2XFloater設備の概要
出典:H2Carrier

 グリーンアンモニアの製造手順としては、まず海水を汲み上げて淡水化。そして、グリーンエネルギーにより電気分解してグリーン水素を生成。空気中から抽出された窒素と結合し、アンモニア発生装置で合成してグリーン アンモニアを生成。

 船体内部の貯蔵タンクから外部への液体アンモニアの輸送は機械式アームとホースにより行う。

 水素の製造はPEM、アンモニアの製造はハーバー・ボッシュ方式を採用。

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世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

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SEP起重機船 世界ランキング 2023

世界的な再生可能エネルギーへの転換に伴い、洋上風力発電の建設は勢いを増すばかり。
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