オランダ沖「Ecowende」で最初のモノパイル設置

オランダ沖「Ecowende」で最初のモノパイル設置 洋上風力発電
スポンサーリンク

オランダ沖「Ecowende」で最初のモノパイル設置

2025年12月3日、オランダ沖の「Ecowende wind farm」(Hollandse Kust (west) lot VI)でVan OordSEP起重機船Boreas」による最初のモノパイル設置がおこなわれました。

「Ecowende wind farm」は、オランダのエイマイデン(IJmuiden)から約53km沖合に位置し、着床式のモノパイル基礎にVestas製の風力タービン「V236-15.0MW」52基を設置する計画。運転容量は約760MW。2026年末までに完全運転開始を目指しており、稼働するとオランダで消費される電力需要の約3%に相当。事業者はShell(60%)、中部電力(30%)、Eneco(10%)の合弁会社であるEcowende。

2026年第2四半期に風力タービン設置が開始される予定。

最も環境に優しい洋上風力発電所

「Ecowende wind farm」は、洋上風力発電が海洋生物に与える影響を軽減し、生物多様性を高めることを目指して開発が進められている。

モノパイル設置をおこなうSEP起重機船「Boreas」は、メタノール燃料での稼働により環境負荷を大幅に低減することに加えて、低騒音位置決め・設置システムを採用。SIFが製造するモノパイルは8.8mと9.3mという2種類の直径を採用しており、様々な高さの風力タービンタワーを設置。風力タービンの先端部の高さが高いほど鳥が構造物の間をより安全に飛行でき、衝突リスクが低減することが研究により示されていることから、建設段階および運用段階を通じて鳥の行動と衝突件数をモニタリング。自然と共存する洋上風力発電開発に関する知見をさらに深めていくという。

鳥類が風力タービンに衝突する件数を低減させる取り組みとして、6基のタービンに音を使って鳥を抑止する鳥の忌避システムを適用。また、7基の風力タービンで1基当たりのブレード3枚のうち1枚に赤いトップコートを塗り、ローターゾーンをより目立たせて鳥類の衝突回避を支援。風力発電所の北側にある20基の風力タービンでは鳥類のライブ認識を試験・実施し、抑止システムの微調整とローターの抑制をおこなう。

SEP起重機船「Boreas」

SEP起重機船「Boreas」
出典:Van Oord
船名Boreas
総トン数47,617トン
載貨重量トン数20,000トン
クレーン能力主:3,200トン
補助:500トン
揚程155m
長さ175.1m
63m
深さ13.2m
喫水8.4m(スパッドカン含む)
レグ長さ126m
甲板面積7,150m2
居住設備シングル:121室
ダブル:7室
DPSDP Class 2
プロペラアジマススラスター:4,000kW×4基
格納式スラスター:2,700kW×2基
バウスラスター:2,700kW×2基
速力12~13ノット
スポンサーリンク
興味深い海の世界

あらゆるものが巨大な海の世界。
なかでもインパクトの強い画像を中心に海の世界を紹介。

スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

Crane1000をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました