フランスのビスケー湾で建設中のサン・ナゼール(Saint-Nazaire)洋上風力発電所で80基全ての6MW風車設置が完了。完成すると商用規模の洋上風力発電所としてはフランス初となる。完成予定は2022年末。
サン・ナゼール(Saint-Nazaire)洋上風力発電所
2022年4月に開始された6MW風車の設置作業は9月5日に80基すべて完了した。設置を行った作業船はJan De Nulが所有する1,500トン吊りSEP起重機船「VOLE AU VENT」。
サン・ナゼール港で地組したタワー部材を含む4基分の風車資材を積込して設置場所へ移動。天候にもよりますが、現地での設置作業には1基あたり24時間かかるそうです。
洋上風力発電所の概要
サン・ナゼール(Saint-Nazaire)洋上風力発電所はフランス西部 ビスケー湾、ロワール・アトランティックの海岸から12〜20km、水深12~25mの場所に建設中。
フランスではSaint-BrieucやFécamp offshore wind farmなど洋上風力発電所の建設が行われていますが、最も早く完成するサン・ナゼール(Saint-Nazaire)洋上風力発電所が商用規模としては初となる。
商用規模で初という特徴以外に、注目すべき点は設置海域の地質が岩盤であるという点。大口径のモノパイルで岩盤を掘削して設置したのは世界初だそうです。
モノパイル設置
岩盤にモノパイルを設置する技術は、結構すごいのではないかと思いました。日本でもハンマーによる打撃やサクションパイルで設置できない水深50m以下の海域がどの程度あるかは知りませんが、日本でもこういう状況は出てくるかもしれんせんね。
モノパイルの設置は、DEMEが所有する1,500トン吊りSEP起重機船「INNOVATION」を使用して行われた。
硬い岩盤を掘削してモノパイルを設置するために、トンネルボーリングマシンの世界的企業「HERRENKNECHT」とDEMEとが共同して開発したOffshore Foundation Drill (OFD) と MODIGAを使用。
変電所の設置
洋上変電所の設置は、ジャケットとトップサイドともに「Pioneering Spirit」で行われました。ジャケットを2021年8月15日、トップサイドを8月18日に設置。
ジャケット重量は1,250トン、トップサイド重量は2,100トン。
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