がっちりマンデー!!に日本最大の起重機船「海翔」登場

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がっちりマンデー!!に日本最大の起重機船「海翔」登場

2025年2月16日の「がっちりマンデー!!」で寄神建設株式会社が所有する日本最大の起重機船「海翔」を取り上げた番組内容が放送されました。

「がっちりマンデー!!」はTBSテレビ製作で、毎週日曜の午前7時30分~8時に放送されている生活情報バラエティ番組。日曜日放送なのにマンデー(月曜日)という番組名になっている由来は、”日曜日に勉強して月曜日から実践へ” という意味らしい。家庭の節約術から株・不動産、果ては国家レベルの経済理論まで、笑いながら楽しく金儲け情報を学べるというお金に焦点を当てた情報番組。

2025年2月16日放送の「がっちりマンデー!!」番組内容

大きいだけではない!令和の重厚長大産業!

  • 総重量1万5000トン!日本の橋作りを支えてきた巨大なクレーン船!その繊細な技術とチームプレーに密着!
  • 金属製の鳥居を手掛ける会社が…今度は海の中に巨大パイプも作っちゃう!?直径12m、長さ100m!超ぶっといパイプの使い道とは!?
  • 昨年株価が6倍上昇した会社の光ファイバーケーブル工場に潜入!不純物の入ってない透明なガラスを伸ばして…なんと3000km!

昭和の高度成長期に日本産業の主役は ”重厚長大じゅうこうちょうだい産業” と呼ばれる鉄鋼業や造船業でしたが、1980年代になると時代は一転。電卓やウォークマンのような軽くて小さい ”軽薄短小けいはくたんしょう産業” がものづくりの主役になり、ライトでスマートが永らく日本のお家芸となっていた。しかし、令和のいま ”重厚長大産業” が大復活しているらしいというのが今回のテーマ。

令和の ”重厚長大産業” を徹底取材と題して、2月16日放送の番組内で取り上げられた企業は寄神建設株式会社、JFEエンジニアリング株式会社、株式会社フジクラの3社。

寄神建設の紹介では、兵庫県東播磨の基地港に停泊している日本最大の4,100トン吊り起重機船「海翔」を実際に訪船。巨大な外観をはじめ、機関室や操作室の様子が公開されていました。

起重機船「海翔」が登場した寄神建設の紹介以外にも洋上風力タービン基礎のモノパイルを製造するJFEエンジニアリングや光ファイバーケーブルを製造するフジクラが登場。とても充実した内容の30分番組となっていました。リアルタイムでは見逃したという方は、TVerで2025年2月23日(日)7:29まで視聴が可能です。無料視聴なので飛ばせないCMがちょくちょく出てくるけど、そこまで気になりませんでした。TVerでの視聴は放送から1週間だけなので気になる方はお早めに!

リンク先 TVer | がっちりマンデー!!「令和の重厚長大産業!」(2月16日(日)放送分)

1万5千トン、約150億円の超巨大乗り物

番組で最初に訪れたのは、兵庫県神戸市にある寄神建設株式会社の本社。そこで取材対応した建設本部長の方は2024年度の売り上げを聞かれ、約190億円と答えた上で番組お決まりのがっちりポーズ。寄神建設の重厚長大なモノについては、日本最大級であるというヒントだけを残して取材場所は兵庫県の東播磨港へ移動。

ここで初めて起重機船「海翔」が巨大な姿を現す。

寄神建設が誇る巨大起重機船「海翔」の船体寸法は長さ120m、幅55m、ジブ長さは150m。お値段は約150億円と説明されていました。総重量15,000トンという説明もありましたが、これは総トン数ではなく排水トン数を意味する純粋な船体重量を指していると思われる。

最大吊り上げ能力4,100トンという日本最大の起重機船「海翔」で何をするのか?については、めちゃくちゃデカいものを吊り上げて運ぶ船だと起重機船を初めて見る視聴者向けに説明した上で、分かり易い例として橋桁を吊り上げたり海に沈んだ船を引き揚げたりする作業をおこなっていると述べています。

巨大な起重機船で工事期間とコストを削減

なぜ、起重機船「海翔」は巨大である必要があるのか?という取材スタッフの質問に対して、例えば橋を架ける場合に完成した橋を運んできたほうが工事期間とコストを削減できるからと回答。

起重機船「海翔」が活躍する現場では橋を現地で組み立てながら完成させるのではなく、別の場所で組み立てた橋を運んで架設する方法が採用されている。

これまで明石海峡大橋やレインボーブリッジをはじめ、日本の巨大な橋や湾岸道路の多くを寄神建設のクレーン船が架けてきたという。

海の上で重いものを吊り上げた時の対策は?

海の上に浮かんでいる起重機船で重たいものを吊り上げたら沈んだり、傾いたりしないんですか?という質問に対しては、クレーン船の中に秘密があるということで起重機船「海翔」の船内にある機関室へ移動。

そこで「海翔」の機関長が説明してくれたのは、畳2枚分くらいの大きさがありそうなバラスト装置の操作盤。バラスト装置とは、船に海水を取り込んで船体を傾けるための装置。「海翔」の船体内部には巨大なバラストタンクが11あり、重たいものを吊り上げた時に船体が沈んだり傾いたりしないようにバラストタンクへ海水を取り込んで調整しているという。

取材を受けた日の起重機船「海翔」は間もなく出港ということもあり、船体は約5度傾斜した状態。基本的には作業に合わせた量の海水を事前にバラストタンクへ取り込んでいるということですが、吊り上げ場所の水深が浅い場合は事前に船尾側のバラストタンクへ海水を取り込んでしまうと座礁する恐れがあるので吊り上げと同時進行で海水をバラストタンクへ取り込み、船体を水平な状態にキープしなければならないこともあるそうです。

作業をする上で仕方ないとは言え、ほぼ常時、船体が傾斜した状態となっている起重機船「海翔」で問題になるのは住み込みで働いている船員の方の就寝時。船尾側が沈んでおり、船室のベットで枕を低い方に置くと頭に血がのぼってしまうという問題に対しては、詳しい仕組みについて説明されていませんでしたが映像を見る限りベッドに敷かれたマットレスが水平になる対策が施されているようでした。枕を高い方に移動させれば済むのでは?とも思いましたが、水平な状態のほうがいいでしょうね。

巨大なクレーン船を数cm単位で操作

最後に取材クルーが訪れたのは起重機船「海翔」の船首側にある操作室。取材に応じた「海翔」の船長がおこなう一番の仕事は、クレーン操作だという。操作室にはワイヤーを巻き上げ・巻き下げする装置であるウインチの遠隔操作レバーが19個あり、それらを操作してコントロール。

起重機船「海翔」を使用して巨大なものを吊り上げ・設置する難しさを説明する上で、施工事例として紹介されたのは、2023年11月に架設がおこなわれた宮城県女川町に架かる「出島大橋いずしまおおはし」の現場。

長さ240mという中央径間を吊り運搬で一括設置した作業では、吊り上げるために起重機船「海翔」のフックに取り付けた32点吊りのワイヤーと中央径間を連結する作業に3日間を要したと説明されていました。この説明だけだと、いわゆる玉掛け作業に3日間かかったようにも受け取れますが、玉掛け作業自体は架設前日の早い段階で完了していたので、残り2日間は起重機船「海翔」のフックに32点吊りのワイヤーを組み立てるワイヤリングや前作業の側径間架設時に取り外していたフック間のディスタンスビームを復旧する作業に費やされたものと思われます。

中央径間架設作業で最大の難関は、長さ240mの橋を所定の位置に据え付ける作業。当然のことですが、吊り上げている中央径間の振れが1度でも狂うと据え付けることは出来ない。所定位置にピッタリと据え付けるため、「海翔」の操船ウインチ8基により船体を8点係留した状態でウインチを操作して、ゆっくり所定の位置へ移動。この時、「海翔」の操作室にいる船長からは架設する中央径間の取り合い部分はほぼ見えない。現場からの無線で「2cm、右」といった合図を聞き、船体を微調整して据え付けるという。取材を受けている船長はサラッと答えていましたが、常人には真似できない職人技を

女川町に架けられた「出島大橋」の中央径間架設作業で起重機船「海翔」が吊り上げから設置完了までに要した日数は2日間。

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日本最大の4,100トン吊り起重機船「海翔」

船名海翔
クレーン能力4,100トン
長さ120.0m
55.0m
深さ7.5m
建造年1987年
所有会社寄神建設
日本最大の起重機船「海翔」
出典:YouTube | 女川町公式チャンネル
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