中国の洋上風力発電所で海水を直接電気分解する水素製造技術を実証
2023年6月2日、中国東方電気集団有限公司は、福建省の興華湾洋上風力発電所(Xinghua Bay offshore wind farm)で洋上風力により発電した電力を使用して直接海水を電気分解し水素を製造する技術の実証に成功したと発表。
洋上実証試験は5月中旬から福建省の興華湾洋上風力発電所で行われ、東方電気集団と中国工程院(Chinese Academy of Engineering)が共同開発した浮体式水素製造プラットフォーム「東福一号」を使用。
中国東方電気の掲載記事では、海水の脱塩・淡水化を行わない海水電気分解水素製造装置は合理的な設計により安定した運転が可能で、この技術の実現可能性が検証されたとして、再生可能エネルギーによる水素製造の重要な開発経路としての利用を考えていると述べている。
水の電気分解 2H2O → 2H2 + O2
水を電気分解すると👆の化学式のように水素と酸素に分解されるという現象は学生時代におこなった実験で知っていましたが、それは「真水」の場合であって「海水」を使用すると人体に対して毒性の強い塩素ガスが発生するそうです。そのため、塩素ガス発生を抑制する方法や触媒の開発が世界的に行われているという。
今回中国で行われた実証試験が具体的にどのような方法で行われたのか分かりませんが、中国東方電気の掲載記事のなかで、中国工程院の学会員 謝和平 氏のチームによる脱塩を行わずにその場で海水を直接電気分解し水素を製造する技術的成果が2022年11月30日付けのネイチャーに掲載され、2022年の中国科学進歩トップ10の1つとして評価されていたそうです。
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