イギリス、サマセットのブリッジウォーターにあるヒンクリー・ポイント原子力発電所(Hinkley Point nuclear power station)で建設中のヒンクリー・ポイントCで取水口と放水口の設置準備が進んでいるようです。
設置が行われるのは取水口4基、放水口2基の計6基。重量は最大で5,000トン。据付は4,000トン吊りのクレーン船「Gulliver」と3,300トン吊りのクレーン船「RAMBIZ」という大型クレーン船2隻による相吊り。
ヒンクリー・ポイント原子力発電所
ヒンクリー・ポイント原子力発電所 (Hinkley Point nuclear power station) は、イギリス、サマセットのブリッジウォーターにある原子力発電所。ブリストル海峡沿いで、パレット川河口から西に8kmの位置にある。
発電所はヒンクリー・ポイントAとBに分かれている。これらの発電所は過去はブリティッシュ・エナジーなどが運用を行っていたが、現在はフランス電力(EDF)系としての保有となっている。現在はヒンクリー・ポイントC原発が建設中。
ヒンクリー・ポイントC
ヒンクリー・ポイントCは、2016年に建設を開始。2016年時点での運転開始予定は2025年、建設コストは180億ポンド(約3兆円)。しかし、新型コロナウイルスなどによる影響で2021年1月時点では、運転開始日が2026年6月、建設コスト220億~230億ポンド(約3兆6千億~3兆8千億円)に修正。さらに2022年5月時点で、運転開始日は2027年6月、建設コスト250億~260億ポンド(約4兆~4兆2千億円)へ修正している。
取水口の積み込み作業
取水口の設置に先立ち、ヒンクリー・ポイント原子力発電所に近いエイボンマス(Avonmouth)で取水口を台船に積み込みする作業が行われた。
「Gulliver」と「RAMBIZ」で吊り上げる時に使用する吊具もすでにセットされてます。
「Gulliver」と「RAMBIZ」による相吊りテスト
1年前の2021年6月に「Gulliver」と「RAMBIZ」による相吊りテストが行われていました。
想定荷重は5,000トン。なので、ヒンクリー・ポイント原子力発電所の取水口設置を行うための試験吊りだったことが分かります。
ヒンクリー・ポイント原子力発電所周辺のAIS情報
ヒンクリー・ポイント原子力発電所海域のAIS情報を調べてみました。
「Gulliver」と取水口積込動画に写っていた曳船の「SEA JULIETT」がいました。ですが、「RAMBIZ」がいません。運搬台船に付いていたボートがいるので、取水口を積んだ台船も現地にいると思うんですが。
ということで、「RAMBIZ」のAIS情報を捜索。
現地に向かってるところでした。仕向港の「GBAVO」はLOCODEでエイボンマス(Avonmouth)を表しています。到着予定は7月18日20時になっているので設置作業はそれ以降になりそうです。
👆上の地図だと近そうに見えますが、「RAMBIZ」の現在地からエイボンマス(Avonmouth)までは660kmくらいありました。現在の速力5.6ノットで計算すると
660km ÷ 1.852km = 約356海里、356海里 ÷ 5.6ノット = 64時間、2日と16時間。これを現在時刻に加えると 7月17日午前6時。なのでもう少し早く到着する可能性はあるかもしれません。
よく読まれている記事