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松山港外港地区岸壁工事で起重機船「武蔵」によるケーソン吊り上げ

松山港外港地区岸壁工事で起重機船「武蔵」によるケーソン吊り上げ 国内ニュース
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松山港外港地区岸壁工事で起重機船「武蔵」によるケーソン吊り上げ

2024年2月17日、深田サルベージ建設の3,700トン吊り起重機船「武蔵」によって松山港外港地区岸壁(-13m)築造工事で設置する重量約1,500トンのケーソン吊り上げがおこなわれました。

吊り上げ作業がおこなわれたのは愛媛県伊予市下水浄化センターのケーソン製作ヤード。ケーソンの大きさは長さ12.4m、幅7.4m、高さ19.1mで重量約1,500トン。

吊り上げ作業がおこなわれた伊予市から据付をおこなう松山港外港地区までの距離は約12km(約6.5海里)。製作場所から据付場所までは近く、4ノット程度で吊り運搬しても移動時間は約2時間。朝早くに吊り上げれば日中のうちに据付まで完了できる位置関係ですが、据付場所の近くには松山空港があり航空制限区域内での施工となるため、深夜の据付になるようです。予定では18日0時~4時に据付作業の予定。

吊り上げ場所で時間調整して出港

愛媛県伊予市下水浄化センターのケーソン製作ヤード(Googleマップ航空写真)

松山空港の発着便を確認すると、羽田発の松山空港行きが最終便で21時20分到着予定。そして、起重機船「武蔵」を曳航するタグボートのAIS情報によると、吊り上げをおこなった伊予市下水浄化センターのケーソン製作ヤードを20時過ぎに出発。時間調整しながら起重機船「武蔵」船団は22時過ぎに据付場所付近へ到着し、作業を実施しているようでした。

据付を終えて起重機船「武蔵」は帰港

2024年2月18日08時30分時点のAIS情報

あくまでも起重機船「武蔵」に帯同するタグボートのAISによる情報ですが、日付が変わった2月18日4時過ぎには据付場所の松山港外港地区を出発し、自社の基地港である広島県呉へ向かって回航しているのが確認できました。なので据付作業は無事に終わったものと思われる。夜間作業、お疲れさまでした。

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ケーソン吊り上げ時の工夫

ご存じの方も多いと思いますが、ケーソンを吊り上げる起重機船は必ず吊枠と平衡滑車(イコライザー)を使用しています。

鉄筋コンクリート製のケーソンは天端部分に吊り上げ用の金物が埋め込まれており、その部分に玉掛けをおこないますが、吊り上げる時に斜め方向へ引っ張るとコンクリートが割れてしまう。なので、玉掛け位置の真上に吊り上げワイヤーを調整するため、吊枠を使用して強制的にワイヤーの位置を修正し、吊り上げ用金物に対して鉛直方向に荷重がかかるようにしています。

平衡滑車(イコライザー)に関しては、取り扱う重量が大きい大型起重機船だとケーソン以外でも頻繁に使用さており、逆に使用していない吊り作業をほぼ見たことがない程。平衡滑車は、個々の吊り上げ位置によって荷重が偏るのを防ぐという目的で使用され、滑車を介して荷重を均等に分散する効果があります。

画像の施工例は、吉田組が所有する3,700トン吊り起重機船「第50吉田号」によるケーソン据付の様子。吊枠と平衡滑車を使用したケーソン据付という点では今回の「武蔵」と同様ですが、据付場所の近くにある既設防波堤の影響で起重機船が正面から侵入できないため、真正面ではなく45度の角度をつけて吊り上げをおこなった少し特殊な施工例。

余談ですが、吊枠画像を探している時に見つけた「国土交通省 港湾工事の施工事例紹介」。なかなか興味深い内容の施工事例がたくさん紹介されていました。浮体関連、架設関連、土留・基礎工関連の施工事例が合わせて18件、PDFファイル42ページという結構なボリューム。時間がある時にゆっくり読んでみたい感じでした。👇下にリンク先を貼っていますので興味ある方はどうぞ。

リンク先 国土交通省 | 港湾工事の施工事例紹介 ※PDFファイルが開きます

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松山港外港地区国際物流ターミナル整備事業

出典:四国地方整備局 | 記者発表「松山港外港地区」の水深13m岸壁延伸~国内最大級の大型起重機船によりケーソン(約1,500t)を吊り上げます~
(https://www.pa.skr.mlit.go.jp/matsuyama/pdf/oshirase060208.pdf)

増大する外貿コンテナ貨物や非効率な輸送体系にある外貿バルク貨物の輸送の効率化を図るとともに、大規模地震発生時の緊急物資輸送拠点とすることを目的として「松山港外港地区国際物流ターミナル整備事業」を実施しており、今回ケーソン据え付けをおこなう松山港外港地区岸壁(-13m)も事業を構成する施設の1つになっているという。

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3,700トン吊り起重機船「武蔵」

1910年(明治43年)に広島県呉市で創業し、現在は本社を大阪に置く深田サルベージ建設㈱が所有する3,700トン吊り起重機船「武蔵」。1974年に建造された時のクレーン能力は3,000トンでしたが、現在は吊り上げ能力925トンのメインフックを4つ搭載し、3,700トン吊りになっています。2018年9月に起きた関空連絡橋に貨物船が衝突した事故では、損傷した橋桁の撤去と修復された橋桁の復旧作業をおこないました。

船名 武蔵
吊上げ能力 3,700トン
長さ 107.0m
49.0m
深さ 8.0m
建造年 1974年
所有会社深田サルベージ
建設株式会社
損傷した橋桁の撤去を行う「武蔵」
出典:FUKADA SALVAGE & MARINE WORKS
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世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

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SEP起重機船 世界ランキング 2023

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