貨物船が風力タービンに衝突
次も風力タービンに船が衝突した事故ですが、衝突したのは貨物船事故が起きたのはドイツの北海で稼働中の洋上風力発電所「Gode Wind 1」。ドイツの海岸から45km沖合にありSiemensの6MW風力タービン55基で構成され、総発電容量は330MW。2017年6月に運転を開始している。
事故を起こした貨物船「PETRA L」は2023年4月22日にポーランドのシュチェチンを出港し、北海バルト海運河を抜けてベルギーのアントワープに1,500トンの穀物を運んでいた。
貨物船「PETRA L」のAISに記録された航跡を見ると北海バルト海運河を抜けて「Gode Wind 1」のエリア付近で航跡が北側に寄っているのが確認できます。事故当時、貨物船は自動操舵で航行していましたが、コースからは何マイルも外れていた。
自動操舵装置といっても、船の船首方位だけを制御するものから指定した航路を航行できるものまで様々。船首方位だけを制御する自動操舵装置では、船首方位が保持されていても潮流や風の影響で想定していた航路を外れる事があるそうです。
風力タービン基礎に衝突した貨物船「PETRA L」の船首右舷側は大きく破損。外板がめくれる様に剥がれ、船内が丸見えの状態に。当然ながら船内への浸水も確認されたという。船には6人の乗組員が乗船していましたが、事故による負傷者は確認されておらず、貨物船「PETRA L」も海象が穏やかだったこともあり自力航行によりドイツのエムデン港に入港することが出来たようです。
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